なんでこの人と一緒にいるんだろう・・・・・とアレンは思っていた。
傍らのはただ静かに笑っているだけだった。
「ん?」
静かに?なんで?何も話さないんだ?
アレンはぎくしゃくとしてを見た。よく見ればは軽く寝息を立てている。
アレンはそっとゴーレム、ティムキャンピーを取り出した。通信班にかけて、を呼び出す。
"ん?どうした、アレン"
「あの・・・・・さんの様子がおかしいんですけど・・・・」
"兄貴の?どこが"
「その・・・・・僕にからんでこないというか・・・・・寝ているんです」
"あ〜〜"
ゴーレムの向こう側のは納得したように言葉を発する。
"兄貴も落ち着いたんだろうな。自分がそばにいて、安心できるやつを見つけたから"
「えっ?」
"大丈夫。兄貴は襲いはしないだろうから。からんではくるだろうけど、アクマがいるとこじゃ真面目だから"
がんばれよ、そう言っては通信を切った。アレンは呆然とする。
いったいどういうことなのだ?安心できる奴?落ち着く?
「ん・・・・きた」
「なにがです?」
「アクマ・・・・」
は小さく欠伸をする。瞬間アレンの左目がアクマの姿を捉えた。
「何でわかったんですか?」
「ん?」
はニッコリと微笑んだ。
「何故って僕たちも呪われているからvv」
の体が重力を感じさせないくらいフワリと飛び上がった。
すっと腰から細長い長剣を取り出す。一体何処に隠し持っていたのか、とアレンは思った。
「邪魔をしないでもらいたい」
そのときのの声はひどく冷たくて、ひどく恐ろしかった。は剣を振り上げると、足元の空気にむかって振り下ろした。ガキンッ、という硬い音がしたかと思うと爆発が起きる。
「!!」
「アレン、もしかして僕のこと心配してくれた?」
ほけら、とした声がアレンの背後から聞こえてくる。アレンが振り返るとそこには笑顔のがいた。
軽くほこりをかぶってはいるが、怪我はないようだ。
「だ・・・・・誰があなたの心配なんてするもんですかっ!!」
「おやひどい」
はそう言いながら、アレンの肩に手をまわす。
「僕は本当に君のことが好きだよ、アレン」
「気持ち悪いですから、やめてくださいっ!!白月を呼びますよっ!」
アレンはビシリとの頭を叩いた。は叩かれた頭を押さえてその場にうずくまった。
「でも・・・・・別にそばにいちゃだめだってことじゃないですからね」
「・・・・・・・・・アレンッ!」
は嬉しそうにアレンに抱きついた。
「あ〜〜だから抱きつかないで下さいって言ってるそばからっ!!!」
「・・・・・・僕のそばから絶対にいなくならないでね・・・・・・」
の小さな呟きにアレンは動きをとめた。の腕に力がこもる。
「絶対に・・・・・絶対にだからな・・・」
「・・・・・・」
アレンは何も言わなかった。
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