「ん・・・・」
アレンは小さく寝返りをうった。なにか寝にくい感じがする。何故だ?
うっすらと眼を明けたアレンは次の瞬間に飛び起きた。
「おはよう、アレン」
「ななななな、!なんでここにいるんですかっ!」
「何故ッて?もちろん、恋人のそばにはいたいものだろう?」
アレンのベッドにいるはそう言った。もちろん笑顔で。
「っっっ!!」
隣の部屋にいるだろう彼の弟の名を叫んだ。それからすぐにが眠そうに欠伸をしながらやってきた。
が、兄の姿を見ると覚醒したようだ。
「兄貴、やめろって・・・・・まだアレンには免疫がないんだから」
「やぁだ」
「だからぁ子供になるなって!!」
はを引き離そうと必死だ。が、のほうも負けじとアレンに引っ付いてはなれない。
は最終手段に出た。ポケットから出されたのは一枚の写真。彼はそれを兄の顔の目の前にもっていった。瞬間は写真に飛びついた。
「ほれ、アレン」
「あっどうも・・・・・・今の写真は?」
「・・・・・・・」
は顔をそらした。何も言いたくはないらしい。アレンは追及するのをやめた。
はの首元をむんずとつかんだ。そしてそのまま部屋を出る。
「あっ、ありがとうございました!!」
「丁寧語じゃなくていいから。じゃっ、兄貴が迷惑をかけたな。でもこれには悪気がないんだ。許してやってくれな」
「・・・・・・・努力はします・・・・・」
は苦笑すると部屋に戻った。アレンははぁぁぁっと溜息をついた。
疲れたのだ。
「なんであんな人が兄なんだろうなぁ・・・・・・」
どっからどうみてもが兄に見える。は精神年齢が実年齢よりも低いのではないだろうか・・・。
アレンはそう思った。それが真実のように思えくる。
「おはようございます・・・・」
寝ぼけ眼をこすりながらアレンはコムイのもとへやって来た。途端すぐに眼が覚め、引き返そうとする。
その襟首をコムイががしっとつかんだ。
「アレン君、どこに行くんだい?」
「あっちょっと今日は用があって・・・・任務、また今度じゃダメですか?」
「ダメ」
「じゃぁせめて・・・に変えるとかは?」
「君なら、今日は体調が悪いから無理だって」
「他の人には・・・・」
「冬乃ちゃんがいるけど、彼とは相性が悪いらしくてね。ちなみに神田君は別の人と任務。その他のエクソシストも」
「彼女はひどいね。僕を見ていきなり、この人間違いなく(ピー)ね、って言うんだから。他の人はまだ会ったことないからわからないけど」
それは間違いなくあたってるだろう、とアレンは小さく思った。
アレンは小さく溜息をつくと、腹を決めて言った。
「わかりました。行きます」
「頑張ってね」
「・・・・・・はい」
「じゃぁ行こうか、アレンくん」
「詳細は君が持っている資料にのっているからね」
アレンは笑顔のに引きずられていく。コムイは笑顔で手を振り、2人の姿が見えなくなると後ろを見た。
「何か気に入らないことがあるのかい、冬乃ちゃん」
そばの机に座っていた女が顔をあげた。真紅と翡翠の瞳をしている。
女は立ち上がるとコムイの元によってきた。
「気に入らない。2人とも。兄のほうは妙にへらへらしてて、弟のほうはなんか自分の思いを隠してるって感じ。そこが気に入らないの」
「・・・・・・・何かあったんだろうね。僕らの知らないところで」
「私はコムイ、あなたも嫌いよ」
「・・・・・・」
「真実を知りつつ、それを隠すなんてね」
コムイは悲しそうな笑顔で女を見ただけで何も言わない。女のほうも軽く笑みを浮かべるとそのまま部屋から出て行った。
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