「げぇ・・・」

ティキ・ミックは入った途端そう言った。
丸テーブルには少女と女が一人座っていた。テーブルの上にはたくさんの本が広げられている。、

「あら、ティキ、Hola」
「何してんのよ」
「見てわかんねぇ?ベンキョー」
「学校の宿題、明日までなんですっテvv」
「もちろんティキも手伝ってくれるわよね?」

女がそう尋ねた。もちろん彼女に反抗できるはずもない。
反抗したら最後、新薬の実験台になる道しか残らなくなる。
ティキはテーブルについた。
少女はロード・キャメロット、そしてもう一人の女のほうはアリサ・ミューシカ。

「オレ、学ねぇんだけど」
「字くらいは書けるでしょう?」
「今夜は徹夜でスvv」
「ねぇちょっと、まさかオレ呼んだのって宿題のため?」
「まさか・・・」

それからしばらくティキはロードの宿題を手伝わされていた。
と、伯爵がカードをティキの前に出す。

「一つ目のお仕事vv私の使いとしてここに行ってきて欲しいんでスvv」
「遠っ」
「まぁそういわずに。そして二つ目のお仕事、ここに記した人物を削除してくださイvv」
「・・・・・多っ・・・・・了解ッス」

アリサは少し顔を曇らせたティキを見ていた。

「ティッキー、手伝ってくれてありがとぉ」
「・・・・・・・・家族だからな・・・・・・・・」

そう言って出て行くティキのあとをアリサは追った。

「ティキ」
「ん?どした、アリサ」
「さっきのカードの中に、の名はなかったわよね」
「あぁ」
「よかった」

アリサの顔に安堵の笑みが浮かぶ。

「なんでだ?」
「あの二人は私が殺すの。そして総元帥もね。今度こそ・・・・ソルディアは私のものになるのよ」
「はいはい・・・・・・でも、俺がアリサが好きだってこと忘れないでくれよな」
「うん」

ティキはアリサの頬に手をかけた。

「なんで教団から出た?そんなに好きなヤツがいたのなら、出なければよかったのに。それに俺たちを殺そうとすることだってできたはずだろう?」
「今の生活を失いたくないから私は戦うのよ。それが遥か昔の恋人だとしてもね」

アリサは小さく微笑んだ。
あの二人はアリサにとって目の上のたんこぶ。存在する必要などないのだ。
味方も敵も何もかもを破壊するあの二人はノアにとって邪魔だった。あれを破壊されるかもしれないから。

「クロスはどうなってるの?」
「今探してる」
「そう・・・・・・そういえば、アリサは誰だった?」
「私?クラウドってヤツ。でももう既に教団に逃げ込まれたわ。残念・・・・・」
「まぁそのうち出てくるさ。俺たちとの最終決戦に備えて」
「そうね・・・・・・・」

アリサは長い黒髪をいじった。
彼に見てもらいたくって、彼女と同じにしたのに。自分と彼女はいったい何が違ったのだろう。
その違いさえわかればよかったのに。
アリサはそう思った。しかし口の端に笑みを浮かべるとアリサはティキにむかって言った。

「またあとで会いましょうね。私、しばらく仕事はないからロードのそばにいるわ」
「わかった。それじゃぁな」
「うん」

ティキは千年公からの仕事を完遂しに行く。アリサはロードのもとへ戻った。
その顔には暗い笑みが浮かんでいた。

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