花に噛み付かれなくなった三人は周りから聞こえてくる音に耳を澄ましていた。

「音が・・・やんだ」

は小さく言った。既に音はやみ、ポツリと三人の顔に何かが落ちてくる。

「雨?城の中なのに」

花が触手をほどき、三人はクロウリーのもとへ行った。
彼は花の上で呆然としていた。

「クロウリーさん・・・・」

アレンが声をかけたときだった。

このぶす花、くそ花、あほ花、うんこ花っ!
「「「えっ」」」

途端足下にあった花が怒って口を開く。

「ぎゃー!!」

三人はクロウリーもろとも花に囚われる。

「もう生きていても仕方ないのである・・・・」

(自殺かよ・・・・しかも巻き込んで・・・・・・・てか性格変わってね?)

三人はそう思った。

「はっ、私もとんだ化け物になったものだ。愛していた者を手にかけてしまった」
「そんなに辛いなら、エクソシストになればいい。エクソシストはクマを壊すんですよ。あなたはエリアーデというアクマを壊したんです」

アレンはクロウリーの首もとに手をかけて顔を近づけて言う。とラビはただ黙ってそれを見ていた。

「理由のために生きればいいじゃないですか」

その後はラビたちが止めるのも聞かず、城の中を歩き始めた。

「彼は愛していた者を手にかけた。そしてアレンも・・・・僕たちエクソシストには何かしらの不幸が付きまとってるね・・・・・・母さん」

と自分の親の顔を思い出そうとした。しかしもう二人の顔は覚えていなかった。
恐らくなどはその存在さえも忘れているだろう。二人ともあまりのショックの大きさに自分の無意識のうちに記憶を入れ替えているたのだから。両親は病気で他界、と。

「あなたを殺したのはこの僕だ。は関係ないのに・・・・何故あなたは僕でなく彼に罪を与えるのですか」

あのとき、一瞬だけ目覚めた"破壊者"。二人は自分を止めようとして・・・・・・そしてその光景を白月は見てしまった。
血に濡れた兄、の姿を、無残に形が崩れた両親の体を。
我に返ったは自分のしでかしたことに恐れおののいた。そして気絶していたをつれ、家から駆け出した。
あのあと目覚めたは朱色にぬれている自分をみて首をかしげたのだ。

"お兄ちゃん、痛そう・・・・"

「ごめんね・・・・・。僕は・・・君にいらない罪を背負わせてしまった・・・・」

償っても償いきれないよ・・・・・いずれ、僕の命を君に捧げよう・・・

back next
menu