アレンとは襲いくるアレイスターと戦っていた。
二対一でも二人は苦戦していた。何よりも早いのだ。
「くそっ!」
アレンが隙をつくってが剣で攻撃してもかわされる。
「!!」
アレンも叫びが耳に届く。それと同時に喉の奥からゴポリと鉄の味がしてきた。
何も考えられぬままには吹き飛ばされる。
アレンはアレイスターとにらみ合った。
吹き飛ばされたは頭の上でなく鳥を追い払っていた。
眼の中に血が流れ込んでくることから額か頭に怪我をしたのだろう。
「くそ・・・・・」
上手く言うことを聞かない頭では冷静にことを考えようとする。
「アクマを殺していたんなら、彼は僕らの仲間・・・・・・・・・」
の思考が一時中断した。
「えっちょっと待って・・・・・彼も僕らと同じなわけ?!」
自分で達した考えには飛び上がる。しかしアクマの血を飲んで生きていられるとなるとそれは・・・・
「寄生型のイノセンスか・・・・・・」
アレンも確かそうだったはず。は外を様子を探った。未だにアレンとアレイスターはやっているらしい。
しかしはある一つの問題に直面していた。彼は天性の方向音痴なのだ。
「迷った・・・・・・・」
城を破壊してもいいのだが、それでは相手に気がつかれる。できれば、気がつかれずに背後から攻撃したい。
はあちこち歩き回っていた。やがて彼は柱がたくさん並ぶ広間に立っていた。
「ん〜出口はどこだろう・・・・・」
首をかしげて、悩む。その足元がグラリと揺れる。
「おっ?」
揺れを感じて視線を下に落としたの足元から無数の触手が出てくる。
触手に足をつかまれる前には飛び上がるが、触手は無数に存在しているようでの降りる場所を奪った。
ちなみに今のの足元には大きく開かれた口が牙を光らせながら待っている。
「ちょ・・・・ちょっとぉ〜?!」
落下するを誰かがつかんだ。それと同時に左右で爆発が起きる。
「アレンッ!ラビッ、助けてくれてありがとう!!」
「どうしたしましてさ」
二人が下を見るとアレンとやりあっているのはアクマだった。
の頭にはてなマークが浮かび上がる。
「アレンはクロウリーとやりあってるんじゃなかった?」
「あっそれ俺さ。途中でアレンが消えてオレがクロちゃんとやりあってた」
「クロちゃん・・・・・・」
は恐らくラビの付けた名であろうクロちゃんを見た。
そのクロちゃんことクロウリーは気絶しているようで、それを見たアクマが体を元に戻す。
ラビが惚れた女だった。
「アレンッ!」
「にラビ!無事でしたか」
「とりあえずはね」
ふとはしたを見た。そこにはクロウリーと・・・・・・
「アレン・・・・あの女・・・・」
ラビも隣で息をのんだ。
クロウリーの体を抱き上げる女の右肩から何かが出ている。
「冥界から呼び戻され、兵器のエネルギー源となった・・・・・・魂?ねぇアレン・・・・あれがそうなの?」
「・・・・・・・・」
がが呟いた途端、女の体がアクマのボディへと変化する。
「やべぇさ、クロちゃんさっきオレとバトってヘロヘロさっ!助けねぇと」
三人が走りかけたとき。
「どわさっ!」「わっ!」「どえぇぇ!」
床をぶち破って更なる花が三人を捕らえた。
「ラビッ!!落ち着いてくださイ!!」
「落ち着いてなんかいられるかぁ!!」
「僕、この花のちっさいベビーを世話していたことがあるんです」
「ほんと?」
「はい、この花は好意を持つ人間には噛みつきませんから、愛情表現をしてください」
花に喰らわれたラビ、食われかけているが同時に叫んだ。
「I love you――!!!」
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