数日ほど前のこと。アレン・ウォーカーはある任務を受けていた。
「行方不明のエクソシストの捜索?」
「そう。日本人なんだ。名前は、。双子でそっくりなんだけど、見間違えようないよ」
「どこにいるのかわからないのに探すんですか?さすがに無理ですよ」
「わかっているんだ。彼らがいるのはここから北へ数十キロ行ったところにある町。小さいんだけど中々栄えているよ」
「で、わかっているなら何故行かないんですか?だいたい行方不明でもなんでもないでしょう」
「探索部隊が行っても追い返されてね。エクソシストなら考えるといわれたんだ」
「・・・・・・・わかりました」
アレンは仕方なしにその任務を受けた。汽車に乗り、町へ向かう。
着いたところは小さな平和な町だった。
「え〜っと・・・・探し人のいるところは・・・・・」
アレンはきょろきょろする。手の中の紙には二人の住む家の特徴が書かれていた。
「一目でわかるって・・・・・・」
アレンははっと一点で目を留める。見つけたのだ。
その家はこぢんまりとしていて、よくよく探さないと気がつかなかっただろう。周りがたくさんの木に囲まれていて、よく見えないのだ。
アレンはそちらに向かっていった。門の中へ入り、家の扉をノックする。
「はい、どちら様?」
声がした。
「僕、エクソシストのアレン・ウォーカーです。ここにさんとさんはいらっしゃいますか?」
「・・・・・・あぁ、教団の」
そう答えが聞こえたかと思うとがちゃりと扉が開いた。中から顔を見せたのは東洋系の顔立ちをした青年。長そうな茶色の前髪は右側のほうで左右に分けられている。彼は笑顔で言った。
「こんにちは、アレン君。さぁ中に入って」
「あっはい・・・・」
アレンは中に招き入れられた。中はこざっぱりとしていた。
「今、弟は出かけているんだ。僕でよかったら話を聞くよ」
「あっはい・・・・えっと、唐突だとは思うんですけど、教団に戻ってはくれませんか?」
「本当に唐突だね」
彼は面白そうに笑った。
「僕はかまわないよ」
アレンはほっとした。がしかし。
「でも弟のがどう思うかわからない」
「・・・・・・」
「僕だけでよければ、一緒に行くよ」
「・・・・はい」
「じゃぁ弟に手紙を残しておこうかな・・・・・」
彼は紙とペンを取り出すとさらさらと流麗な字で手紙を書き綴った。書き終えると丁寧にたたんで机の上に置く。
「準備をしてくるから待っていてね」
「はい」
彼は2階へあがっていった。アレンはその間部屋の中を見回し、一枚の写真に気がついた。この部屋の中にあるたった一枚の写真だ。アレンは近寄って写真を見てみる。そこには教団の団服を着た青年(そっくりだ)2人とその間に黒髪の美しい女性がいた。
「・・・・・・・・」
「そこに映っているのは僕と弟の、それから教団の友人、アリサ。ほら、左側で髪を分けているのがだよ。僕たち双子だからね、こういうことしてないと間違われるんだよ」
彼はアレンに近寄ると写真を手に取った。懐かしそうな顔をしている。でも同時に悲しそうな顔もしている。
「さぁ準備もしたし、行こうか」
彼は写真を伏せて置くと、笑顔で行った。アレンはうなづいた。2人はそのまま教団へむかっていった。
「そうだ、名前、まだ聞いていませんでしたよね」
「、よろしく」
「こちらこそ」
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