キオたち零番隊はを連れて一番隊から出て行った。
向かうは香神家の邸である。
「あの・・・キオさん・・・・・」
「うん?」
「さっき痛かったんですけど」
「・・・・・・悪い。まさかお前の力と私の力が反発するとは思わなかった」
「えっ・・・・」
「お前の力が私の力を拒絶した。が、結局は受け入れたがな」
キオの声は相変わらず淡々としている。
後ろでは隊員たちが苦笑している。
はキオに話しかけるのをやめ、邸を見た。そして息をのんだ。
目の前にいくつものの花が見える。まるでを迎え入れるように咲き乱れているのだ。
「あぁあれか?桜吹雪が、お前の名がと知ってはやした。ありがた迷惑な話だ。私の家にとっては」
「それでも皆さん、喜んでおられるでしょう?」
「・・・・・・・・季節はずれのなど興味はない。やはり花は季節ごとに味わうものがいいんだから」
の隣に立つ死神―瑚乙紀洸は笑みを漏らした。
は不思議そうな顔をして彼を見る。
「キオ様は季節の花を見れば見たで、あの花が見たいって季節はずれの花の名前を呟かれるんですよ。必ずね」
「紀洸、余計なことを話さなくてもいい」
「はいはい」
「キオ様ぁ!!」
小さな少女が彼女たちのところへ駆け寄ってきた。
その手の中にはいっぱいの花がある。少女はキオに花々を差し出した。
「これは?」
「キオ様にあげようと思って庭園で摘んできたの。だめだった?勝手につんじゃ・・・・・」
「いや、別にかまわないよ。取りすぎはだめだけどね。ありがとう、柚瑠」
「うん!」
少女はに気がついた。首をかしげてキオを見る。
「今日から一緒に住むよ。。多分零番隊に入ることになると思う」
「すごいっ!お姉ちゃん、零番隊に入るの?!」
「えっと・・・・・・・キオさんがいうのなら・・・・そうなんじゃないかな」
「すっごぉい!!零番隊って護廷十三隊には属してないけど、とっても強い隊だってキオ様がいつか言ってた」
「柚瑠、キオさまは毎日のようにおっしゃられてますよ」
「そっかぁ・・・・・・・・あっ父様が呼んでる!!キオ様、またねっ!」
「あぁ」
少女はたちから離れていった。
「今の子供は私が流魂街から拾ってきた。霊力があるが、食い物がなくて死にそうだったからな。それと死神にするために教育している」
「私も?」
「お前は特別授業を受けさせてやる。私直接指導のな」
後ろで零番隊員達が苦笑を漏らしたのが気配でわかった。いや、苦笑と言うよりもなんだか恐れているといったほうがいいのだろうか。
はなんとなく嫌な感じに襲われた。
「あの・・・・スパルタ・・・・・・・じゃないですよね?」
「何を言うか。零番隊に入る以上は厳しく行くぞ」
「やっぱり・・・・・」
はげんなりした様子で言う。キオは首をかしげた。
「イヤか?お前はその分強くなれる。大切なものを守れるくらいに・・・・・」
「本当ですか?」
「あぁ。嘘は言わん。それが香神キオという死神だ」
「・・・・・・・・お願いします!これから頑張りますから」
「その心意気だ」
キオはの頭を一つ撫でた。
は頭を撫でたときのキオの表情に首をかしげた。
泣きそうな表情をしていた。一瞬だけのことだったがにはすぐにわかった。
しかし何故泣きそうな顔なのかはわからないままだが・・・・