は黒崎家に居候していた。
彼女の両親は海外へ出張中。は二人の友人でもある黒崎家にお世話になっているのだ。
「ただいま」
「お帰り、」
「ただいま、柚子、夏梨」
は出迎えた一護の妹の頭を優しく撫でてやった。
「って一兄の恋人?」
夏梨の言葉に靴を脱いで家に上がろうとしていた二人はこける。
夏梨をにらみつけた一護の顔は真っ赤だった。は顔をうつむかせたまま、小走りに部屋へ戻っていく。
一護も自分の部屋へ戻った。
モヤモヤとした気分を抱えながら、一護はベッドに寝ていた。
部屋にある押し入れの中にルキアもいない。と、部屋の戸をノックする音が聞こえた。
「一護・・・・・・」
「?どうしたんだよ」
「あのね・・・・・一護が少し心配になってきたの・・・・・・」
は小さく首をかしげてそう言った。
一護の顔が心なしか赤くなる。
「一護?」
「・・・・・あっあぁ・・・・・俺は大丈夫だ」
「そう?よかった」
は笑顔でホッとしたように言った。
「じゃぁ私、部屋に戻るね」
「あっ・・・」
「なぁに?」
一護はのもとへ寄るとそっとその髪に触れた。
はきょとんとして見つめ返す。
「ゴミ・・・・・たく、どこを歩いたらこんなにデカイホコリがくっつくんだよ」
「むっ・・・・・・知らないもん」
の頬を膨らませた顔を見た一護は吹き出した。
「あーっ笑ってるっ!!一護ったらひどいっ!」
「悪い・・・・・面白くって」
「もう・・・・・・プッ」
二人はクスクスと笑い出した。
「・・・・」
やがて笑いを止めた一護は真面目な顔をしてを見た。
の顔が緊張の色に染まる。
「好きだ・・・・・・・柚子も夏梨も知ってるみたいだったな」
「うん・・・・・・まさか気取られるなんて思っても見なかったな・・・・・・・・」
「そんなに・・・・・・」
「惚気てないしね」
「のろ・・・・・」
の言葉に一護はガクッと首を垂れた。
はクスリと小さく笑った。
「一護・・・・私も一護のこと好きよ」
「あぁ・・・・・」
二人の顔が近づき、唇が触れ合うか否かのとき
"見つけた"
そんな声がの耳に聞こえた。
一護との足元に複雑な魔法陣が顕れる。
途端、を中心に魔方陣の円周分の大きさに光の筒ができる。
一護は筒の外へはじき出された。
「一護っ!!」
「っ!」
二人は手を伸ばしあったが、筒に阻まれる。
筒の光が薄くなり、魔方陣とともども姿を消す。
一護が見たのは何もない空間だけだった。
「・・・・・」
呆然として一護はの名を呟いた。