は走っていた。
後ろからは巨大な化け物が追ってくる。しかもそれはにしか見えない。

「しつこいぃぃぃ!!」

走って行くのことを周囲の人間は不思議そうに見ていた。
そしてそんなと化け物を追ってくる者がいた。
黒い着物と巨大な刀を背負った男だった。
はその姿を認めると嬉しそうに叫んだ。

「一護っっ!」
、そのまんま走れ」
「えぇぇぇっ!」

一護と呼ばれた男は化け物のほうへ跳んだ。
一護の刀が化け物を一刀両断した。それを見たの足から力が抜ける。
倒れる直前に誰かに支えられた。顔をあげると一人の男がを抱きとめていた。

「浦原さん・・・・・」
「大丈夫っすか、さん」
「はい。一護が虚を倒してくれましたから」

一護が二人のもとに近寄ってきた。はそれに気がつくと微笑んだ。

「お帰り。怪我はない?」
「あぁ」
っっ!」

一護にそっくりな男と女が走ってきた。

「ルキア!」

はルキア、と女のことを呼び、抱きついた。

「遅いよ!すっごく怖かったんだからっっ!」
「でもは虚を倒す力もあるはずだろう?」
「長ったらしい言葉を言わなきゃいけないんだもん・・・・・・」
「それが大切なんすよ」

浦原は苦笑しながら言う。と一護の片方がに抱きついた。

さぁん!怪我はぁ?!」
「ないよ、コン」
「あぁ俺の女神様!その笑顔ってオレもうたまんないっ!」
「だぁうるせぇ、さっさと体を返せ」

一護は自分の体の中に入っていく。
黒崎一護、超霊媒体質。あるわけあって、死神をやっている青年。
ルキアも死神だが今はわけあって人間の生活をしている。

「さて、帰るか」
「うん。それじゃぁ浦原さん、また」
「はい。またのお越しをお待ちしておりますよんvv」

一護たちの姿が消えると浦原はそれまで浮かべていた笑みを消した。
それと同時に背後に降り立つ気配もある。

「元零番隊のあなたが何の用っすか」
「来てはいけないか?」
「いえ、別に・・・・・・ただあなたたちが重い腰を上げて現世に来るとなると相当重要なことが起こったってことっすから」

浦原の背後に降り立ったのは死神。

「香神家の当主であるキオさんがじきじきに来てくれるなんて、余計にたち悪いっすからね」

浦原の言葉にキオは笑みをこぼした。
昔なじみの言葉に少しばかり青筋もたつ。こいつの頭に斬魄刀でもブッ刺してやろうかと思った。

「・・・・・・・あの女、十三番隊の死神だな」
「えぇ」
「残りの一人の女、あの力が必要だ」
「何か・・・・・・あったんすか?」
「『桜香』の封印が破れた」
「それはまた・・・・・・・」
「いいよなお前は。現世にいるからこれに関わらないし」

浦原は少しばかり苦笑した。

「私たちが動く。それと浦原、尸魂界が動くぞ」
「どういう意味で?」
「いずれわかる」

キオはそういい残すと姿を消した。
浦原はしばらく何も言わずに立ち止まっていたが、扇を開くとけろりと笑った。

「まぁあなたたちのことっすから、なんか対策もあるんでしょうけど」

浦原の言葉に答える者はいなかった。




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