「・・・・・重くないですか、リドルさん」
「たいしたことはない」
「すみません、買い物なんかにつき合わせてしまって」
「暇だったからかまいはしない」

とリドルは買い物に出ていた。
は申し訳なさそうに、荷物を持つリドルを見た。
リドルはを目を合わせようとはしない。は少し悲しくなった。

「あの・・・・・・」
「この前のことを気にしているのか」
「あっいえ・・・・・・・・」
「気にするな。お前に危害は加えん」

はちょっとだけ笑みを見せた。
リドルは不可解だ、という顔をしてを見た。

「リドルさんって優しいですね」
「何をいきなり・・・・・・・思えば、お前はいつもいきなりだな」
「なにがですか?」
「瞳の色のときもそうだろう。そして今回も」
「あぁ・・・・・・・・そうだ、リドルさん。私本当リドルさんの瞳の色が大好きですよ。リドルさんの好きな色はなんですか?」
「好きな色・・・・・・・」

好きな色はの瞳の色・・・・しかし今はなぜか琥珀色の瞳が気になっていた。

「・・・・・・・・・琥珀・・・・」
「あっ私の瞳と同じ色ですね」
「そうだな」

二人の間に沈黙が落ちた。
はそれが自分とリドルの距離なのだろうな、と思ってしまう。
どうやっても埋められない大きな距離。深い谷。

「あの・・・・リドルさん、私、リドルさんの学生時代のお話を聞きたいです」
「・・・・・・・・何故だ?」
「気になります。リドルさんがどんな人だったのか」

リドルは眉根を寄せた。

「だめ・・・・・・ですか?」
「・・・・・・・・・・・・少しだけだぞ」
「はい」

二人は邸に戻る。
は紅茶を淹れるためにキッチンへ入った。
戻ればミシェルとリドルが話していた。

「・・・・・・・・ミシェル」
「はい?」
「学生時代の話をしてやれ」
「えっリドルさんから聞けるんじゃ・・・・」
「到底自分ではいえない」

ミシェルはクスリと笑うと了承の意をしめした。
リドルは紅茶を飲み干すと立ち上がる。

「リドルさん・・・・・・?」
「自分の話を聞くつもりはない」
「まぁまぁ、聞いていったらどうですか、ヴォルデモート様。僕がさんに間違ったことを教えるかもしれませんよ?」

ミシェルの言葉にリドルの足が止まった。
ミシェルを見るとニッコリとした目とあった。
リドルはしばらく硬直したのち、溜息をつくと席に戻った。ミシェルは満足そうにうなづく。

「では、どこからはじめましょうか・・・・・・全てだと長いんで・・・・・・ヴォルデモート様には恋人がいて「何故そこから入る。第一関係ないだろう」
「必要ですよ、ヴォルデモート様。あなたを語る際には欠かせないでしょう」
「だからと言って俺たちははじめから恋人同士だったわけではない」
「あぁそうでしたね、そういえば僕が仲介をしたんですよね?」
「あぁ。かなり恩賞を請求されたがな」
「そうですか?全部でたったの70ガリオンですよ?」
「それが高すぎるというんだ」
「・・・・・・・・・あの・・・・・・・・・」
「70ガリオンです。あなたはそれでもちゃんと払いました。つまりはあなたはそれだけの手持ちを持っていたということでしょう?」
「お前、もしオレが70ガリオンもっていなかったら・・・・・・」
「もちろん金額を下げるつもりでした」

リドルはミシェルを睨んだ。ミシェルはその視線をサラリと流して、に笑顔を向けた。

「さてじゃぁ僕たちがホグワーツ魔法魔術学校に入学してからのことでいいでしょうかね」

ミシェルの話すリドルの過去には引き込まれていった。

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