「卒業おめでとう、ミシェル、リドル」
「ありがとう、アズサ。寂しいな・・・・君と離れるのが」
「うん・・・・・・でも大丈夫。私、あなたのことを忘れないから」
「僕もだよ。気が向いたら僕の邸においで」
「えぇ」
「ほら、リドルは何もないわけ?」
「アズサ、色々と楽しかった」
「どういたしまして、リドル。こちらこそ楽しい思いをさせてもらったわ」

リドル、ミシェルたち七年生が卒業する。
アズサは既に死んでいるため卒業もなにもなかった。

「それで、二人はこれからどうするの?」
「とりあえず僕はリドルについていくことにするよ」
「そっか・・・・・リドルはそれでいいのね?」
「脅迫されているんだがな・・・・・・・まぁ別にかまわん」
「なんだかさり気なく危険なことを言わなかった?」
「気のせいだよ、アズサ。気にしすぎ」
「そう・・・・・?」

ミシェルはアズサの言葉に、うんうん、とうなずいた。
アズサはフワッと浮かび上がってミシェルとリドルの首に抱きついた。

「アズサ・・・・・?」
「あなたたちのことを私は忘れないわ・・・・・絶対に」
「・・・・忘れられちゃ困るな・・・・僕たちは唯一の恋人同士なんだからね」
「・・・・・・・そうね」

アズサは泣きそうな顔をした。

「リドル・・・・セイのこと、忘れないでね」
「もちろん。言われるまでもなく」
「・・・・・・よかった」
「・・・・・・・さてと、リドル行こうか」
「あぁ」

アズサは去っていこうとする二人に背を向けた。二人は歩みを止める。

「早く行って・・・・二人を・・・・・二人を引き止めそうだから・・・・・・・・」
「・・・・・・アズサ」
「お願い・・・・・・行ってっ!!」
「・・・・・いつまでも愛してるよ、アズサ」

ミシェルの言葉にアズサは泣き崩れた。
今度こそリドルもミシェルも歩みを止めることはしなかった。

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