「え〜っリドルさまに恋人ができたの?!」
「そういうことvvだからもう諦めて」
「ミシェルくんは?」
「僕は既に一人の女性を愛してるからね。僕はもう無理」
「そんな〜〜」
「はいじゃぁね」
冬休みがあけたあと。新しい学期のはじめからミシェルは女子生徒たちに追われていた。
女子生徒たちの視線を背にミシェルは笑顔で談話室へ入っていく。
直ぐにアズサが出迎えた。
「ショックうけてるね、皆」
「だろうね。大人しいとリドルが似合わないって思ってる女子だよ」
「そうかなぁ・・・・・リドルもも美男美女でいいと思うんだ」
「だよね」
二人はクスクスと笑いあった。
「それで、二人は?」
「中庭のベンチにいるよ。ふふっ、面白いものが見られるの」
「面白いもの?」
「こっちこっち」
ミシェルはアズサにつれられて中庭が見える窓辺まで来た。そして外を見て盛大に噴出す。
「・・・・・・・・ねっ?」
「リドルが・・・・・・膝枕・・・・・・・やばっ、彼の性格からして考えられない!!」
「あははは、だよねー。でも・・・・・・幸せそう」
「アズサもしてくれる?」
「えーっミシェルを膝枕?」
「なんだよ、そのえー、ってのは」
「いや・・・・・・・でもなんだかいいかも」
「じゃぁしてくれるね?」
「うん」
リドルはの膝に頭をのせ、静かな寝息を立てていた。
は幸せそうにリドルの黒髪に触れた。日の光が当たった黒髪は温かい。
「・・・・・・・・、口元がほころんでいるよ」
「やっ・・・」
リドルが眼を開けての髪に触れていた。の顔が真っ赤になる。
「ふふっ、可愛い・・」
「リドル・・・・性格違います・・・」
「君の前だからこそ見せる表情だよ」
「・・・・・・・・」
リドルの言葉には小さな溜息をついた。
「どうかした?」
「いえ、なんでもないです・・・・リドル」
「うん?」
「愛してます・・・・あなたを・・・・・・」
「・・・・・・・僕もだよ」
そっと二人は笑いあう。
「ずっと・・・・君が欲しかった・・・・・・君の全てが・・・・欲しい」
「リドル・・・・・・」
の顔が真っ赤になる。リドルは喉の奥でくくく、と笑った。
はからかわれたことに気がつくとリドルの頬を引っ張った。
「いた・・・・・・・ちょっと」
「意地悪なんですね、リドルは」
「だから君の前だけでは・・・・君の前では僕は自分を偽らなくていいんだよ」
「いつもは偽っているというんですか?」
「・・・・・・ミシェルとアズサの前では素直になるよ。てかあの二人の前じゃ偽っても直ぐに見破られる」
ニコッと微笑まれて、君バカでしょ、とアズサに始めて知り合った時言われた。隣ではミシェルがその言葉を聞いて噴出していた。
"あのさ、私の前で嘘の姿を見せないでよ。それじゃぁリドルが辛くなるだけだし、私もイヤだ"
"リドルは素直じゃないからね〜"
"もうちょっと素直になりなよ"
「って言われたからね」
「まぁ・・・・・・・」
はクスクスと笑った。が、リドルが起き上がり、頬に手がかけられるとキョトンとした顔になった。
リドルは危機感のない顔に小さな溜息をついて苦笑した。
「安心しすぎだよ、・・・・・」
「えっ・・・・」
サッと唇を奪っていたずらっ子のように笑って見せるとは呆然としていた。
「っもうリドル・・・・・」
「ふふふっ」
けほっ、とは咳き込んだ。リドルは心配そうな顔をする。
「・・・・風邪?」
「うん・・・・大丈夫」
「よかった・・・・・・でも一応医務室に行っておこう?」
リドルがそう言うとは顔を青ざめさせた。
「だっ大丈夫です!ほっほんと・・・・・げほっ」
「ッ!」
「げほっ・・・・・・・・ごほっ」
喉の奥に何かが絡まるような咳だ。リドルの背中に氷塊が落ちた感じがした。
「、医務室へ行くよ」
「リドル・・・・・・・ッ」
リドルはの体を抱き上げる。城の中に入ったところでアズサとミシェルに出会った。
「これから二人ともラブラブするの?」
「ばかかっ、それどころじゃないんだっ!」
「・・?」
アズサのいぶかしるような声音にリドルははっとしての顔を見た。苦しそうに息をして、顔を青ざめさせている。
その様子にミシェルもただならぬものを感じた。
「マダム・ポンフリーは留守だ」
「それじゃが・・・・・・」
「落ち着け、リドル」
ミシェルが静かな声でリドルの名を呼んだ。その声にリドルは自分があせっていたことを気づかされる。
「ダンブルドア校長なら力を貸してくれるはずだ」
「ミシェ「君が会いたくなくても会わなきゃいけない。それともを死なせていいのかい」
「っ・・・・・・・」
ミシェルはアズサをむいた。
「アズサ、ダンブルドア校長の部屋は?」
「知らないわ。知ってるのは本人と先生たちだけだもの」
「・・・・・・・・・」
ミシェルは考えるように顎に手をあてた。
「マクゴナガル先生なら知っているかも。てか知ってる」
「そうね・・・・・・でもどこにいるのよ」
「教室へ行ってみよう。変身術の」
「・・・・・・」
「リ・・・・ドル?」
「大丈夫、すぐによくなるよ」
リドルはそっと笑った。は震える手をリドルの頬に当てた。
「愛してる・・・・・・あなたを」
「うん、わかってるよ、セイ・・・・・」
「だから・・・・・・・」
「いたっ!マクゴナガル先生!!」
「ミスター・ブランド、ミス・ウェストン?何があったのですか」
「早く!!が!!」
「?ミス・がどうかしましたか?」
背の高い魔女が彼らのもとに駆け寄ってきた。そしての様子を見ると驚愕した表情を浮かべた。
「ミス・ッ!治療を怠っていたのですか!!」
「す・・みま・・・・・・」
「校長先生のもとへ連れて行きます。リドル、彼女の体を離しなさい」
「・・・・・・・・は・・・・・は治りますか?」
「必ず」
はニッコリとリドルに向かって微笑んだ。
「必ず戻ります・・・・・リドル、待っていてください・・・・・・」
「ッ!」
リドルの腕の中からの体が消えた。それと同時にマクゴナガル先生の姿も消える。
ミシェルもアズサも何もいえなかった。
「・・・・・・・・っ!!」
リドルはぬくもりの消えた自分の体を抱きしめた。
「ミシェル・・・・、大丈夫だよね・・・・・・・・」
「・・・・・・・あぁ、きっと」
ミシェルは苦い思いで唇を噛んだ。
リドルはただただ肩を震わせることしかできなかった。
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