そう確かクリスマスの前にそんなことをアズサとミシェルが話していたような気がする。
リドルはミシェルから(無理やり)渡された本を読んでいたのだ。
少しずつ自分の中に芽生えたものがなんなのかを知り、そしてが欲しくなっていったのだ。
「・・・・・・僕はずっと君が好きだった。これからもその想いは変わらない」
「リドル・・・・・・」
は両手で口を覆った。リドルはそっとの髪に触れた。
「君の全てが欲しい・・・・・・・・・」
「・・・・・・・本当?本当に私のことが好きなんですか・・・・・?」
「本当に君が好きなんだ」
「・・・・・・・・・・あなたは私と違って人気者だから・・・・・・・こんな想い抱いても叶わないって思っていたけど・・・・諦めなくてよかった」
はほろほろと泣き始めた。
「あなたが好きでした・・・・・・一目見たときから・・・・・友達になれたときはとても嬉しくて・・・・・・いつかあなたにこの想いを伝えられたら、と思っていました。
でもあなたが人気になるにつれて、私ではきっとつりあわない。あなたにはあなたにあう人がいるから・・・・と」
「僕はだけしか見てなかった・・君だけだよ」
「リドル・・・・・・・・」
は泣きそうな顔になってリドルに抱きついた。リドルは慌ててを抱きしめ返した。
「・・・・・」
「うん?」
「愛してる・・・・・ずっと一緒にいて?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はいっ」
リドルはそっとの頬に触れた。の体が強張る。
「大丈夫・・・」
リドルはを落ち着かせるかのように優しく言った。
リドルは触れるだけのキスをし、そしての唇の柔らかさに驚いた。
「・・・・・・・・ごっごめん、やっぱりいやだった?」
「いえ・・・・・・・・・あまりにも上手いキスで・・・・・」
二人は互いに紅くなった顔をそらせた。そしてチラリと互いの顔を見合わせ、そして視線があうとはにかむように笑った。
「なんだかへんな感じ・・・・・・胸の中がすごく熱くなってる」
「私もです。まさかリドルと両思いなんて・・・・・・・」
は頬を染めてはにかむように笑った。
リドルはもう一度を抱きしめた。もおずおずとリドルの背に手を回してくる。
「・・・・・・・・絶対に惚気るね」
「そうね」
「「?!?」」
二人は頭上から聞こえてきた声に飛び上がった。見れば、ちょうど頭上の通路からミシェルとアズサが見ていた。
二人は面白そうにクスクスと笑っている。
「ミシェル、アズサ・・・・・・」
「やん、そんなに怒らないでよリドル。せっかく両思いになったんだからいいじゃないか」
「・・・・・・・・・」
「覗き見はするなっっ!」
ミシェルとアズサは身軽に降りてきた。風に乗って切れ切れのダンスのメロディが流れてくる。
「踊りましょう姫君?」
ミシェルとアズサは手を取り合って踊り始めた。リドルはそれを見ると無言で、しかし笑顔でに手を差し伸べた。
は恥ずかしそうに頬を染めながらその手を取る。二組の優雅なダンスが静かに始まった。
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