「紫苑」
「はい」
零番隊執務室 今は隊長と第五席の紫苑のみがこの場にいた
「この書類を六番隊へ。間違えて入っていた」
「・・・・・・・」
紫苑は書類を受け取ると固まった
「行かないのか?」
「行きます」
紫苑はそう言うと書類を持って執務室から出て行った
それを見計らっていたかのようにの後ろに三人の死神が現われた
副隊長の紀洸、三席香也、四席朱音だった
「いいんですか、様」
「何がだ?」
「紫苑さんですよ。彼女、元・朽木隊長の許婚だったんでしょう?」
はふっと笑った
「あいつが緋真を見つけてから紫苑が暗くなったと思わないか?」
「そうですね・・・・」
「緋真はとうに死んだ。今更あたしがどうこう言えるわけではないが、アイツを少なからず慰めるんじゃないか?」
「なるほど、隊長はんなりに考えたんやね」
は一口茶を飲んだ
「それに今はちょうどいい桜の季節だ」
「桜と紫苑と白哉と何か関係あるの?」
香也がそう聞いた
「おおありだな」
はいまいち真意がつかめない笑顔を香也にむけた
「何が起こるかはわからん。だが・・・あいつは驚くだろうな。
ふふっ、白哉の驚く顔など、あまり見られないぞ。中々見ものだな。
あいつは中々驚かない。この眼で見ることができないのが残念だ」
「どうしましょう・・・・・・六番隊へなんて」
書類を受け取った紫苑は悩んでいた。一応隊長だし、彼女は紫苑の尊敬する人物である
紫苑は嫌われたくはないのだ
「う〜〜〜」
悩みながら行くと既に六番隊隊舎前・・・・
「・・・・・私も零番隊隊員!あれしきのことでめげなどしません!!」
紫苑は深呼吸をひとつするとすっと扉に手をかけた
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