は悩んでいた。本当にあの四神を渡すかどうか
「隊長、悩んでもしょうがないんじゃない?」
黒珱は悩むの顔を覗き込んだ。
「なら絶対あれを扱えるってvv」
「だといいんだが・・・・・・」
「隊長、心配しすぎです。あの子なら必ず四神を扱えますから」
「・・・・・・・・・」
信じている二人に言われてもは中々決断を下せない。帯刀の儀まであと僅かだというのに・・・
「だけど・・・・・・・」
「隊長。あなたがのことを愛しく思っているのは知っています。だから彼女を守りたいのでしょう?」
「その通りだ・・・・」
「私達はいずれ死ぬことになりましょう。あなたはあの子に何も残さないつもりですか?」
「そうそう。いくらでも力がなきゃ、殺されるぜ。藍染に」
黒珱の言葉に瞬輝の体がビクリと揺れた。
「黒珱、場所をわきまえろ。誰かに聞かれたらどうするつもりだ」
「いっけね」
黒珱は慌てて口をふさぐと、誰も聞いていないか辺りを見回した。
誰も聞いていないことがわかると黒珱はほっとしたように肩を落とした。
「気をつけろよ」
「了解ッス」
コンコンッ
執務室の戸が軽くノックされた。瞬輝があけるとそこにはが立っていた。彼女は一年で成人にまで体が成長していた。
「どうした?」
「なんか胸騒ぎがして・・・・」
は不安そうにを見た。
「心配要らないさ。大丈夫。オレが守ってやっから」
の言葉に紅くなりつつ、は笑顔でうなづいた。
「うん、そうだよね」
は強くを抱きしめた。黒珱も瞬輝もそれを見ると執務室から出て行った。
「・・・・・・?」
は呆然としての名を呼んだ。
「愛している・・・・・・・」
「えっ・・・・・」
突然の告白にはとまどった。
「迷惑か?」
「・・・・・・ううん、嬉しいよ。でも・・・でも私は・・・・」
「私は、なんだ?」
「私じゃにつりあわないよ・・・・・だっては香神家の当主じゃない」
「オレはお前がいい・・・・・・」
はに口付けた。の結われていない黒髪がサラリと音を立てる。
「ん・・・・・・・・・・」
「愛してる・・・・・・・」
は決めた。この大事な者に四神を与えることを。それが彼女を守る道ならば。
「、近々帯刀の儀、というのをやることにした」
「帯刀の儀?」
は不思議そうに聞き返した。は一つうなづく。
「そうだ。零番隊だけなんだが、斬魄刀を与えるためのちょっとした儀式だ。自分の血を一滴刀に垂らして斬魄刀とのつながりを深める」
「繋がり・・・・・・・」
「扱いやすくなるぞ」
「うん、わかった・・・・」
はの頭に手を置いた。
「何も怖がることない。オレがそばにいてやるから」
その言葉には笑った。
「うん、信じてるよ。・・・・・・」
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