「あっ!」
朽木家の庭で遊んでいた少年は門から入ってくる人影に気がついた。
「!!」
そう名を呼ぶと二人が気がつき、手を振った。
少年は急いで父親のもとへ走っていった。
「父上っ!」
「白哉、どうした?」
「が来ましたっ!」
「もう約束の時刻か・・・・も一緒だったろう」
「はいっ!」
「庭で遊んでおいで」
白哉の父はそう言った。直後先ほど見た二人が部屋の中に入ってきた。
「いやどぉも・・・いきなりでちょっと悪かったかな?」
はそう言った。白哉の父は首をふった。
「そんなことはない」
「そっか。おっ白哉、久し振りだな」
「うんっ!」
白哉はが大好きだった。それと同時にのことも。
「白哉、と一緒に庭園へ行きなさい」
「はい、父上。行こう、」
「うん」
二人は手をつなぐと走っていった。はその様子をほほえましそうに見ている。
「、今日は何用でここにきた?」
「例の鳳凰院家の子供のお話ですよ、紅輝」
は彼の冷たい視線をサラリとはねのけ、サラリと言って流した。
「紫苑がどうかしたか」
「あの子は零番隊にこそ相応しい」
「零番隊に入れるというか」
「まっ、そういうことvv」
「しかし、紫苑は白哉の許婚・・・・・・」
「まぁそんな固いことを言わずに」
「言いたくもなる」
はニッコリと笑っている。
「二人とも顔を合わせたことがないんなら好都合ですしね」
はじっと外を見た。外ではと白哉の笑い声が聞こえてくる。
「俺たちもいつ死ぬかわからないから・・・・・・あいつに少しでも隊長をやりやすくさせたいでしょ?」
「随分と思いやるのだな。冷酷なお前が」
「でしょでしょ?オレ、優しくなったでしょ」
は紅輝を見て笑った。紅輝もそれにつられるように笑う。
「あの娘、とんでもない力を秘めているな」
「零番隊にはうってつけだろう?」
「あぁ・・・・・・だが・・・・お前達がいなくなったらどうなると思っている」
は笑った。紅輝は少しばかり評しぬける。
「俺たちがいなくなってもあいつはしっかりとやるさ。オレがそういう風に育てたんだから」
はじっとの霊圧を探った。見つけたときよりも格段に強くなっているそれを。
「紅輝・・・・オレは零番隊にいてよかったと思っている。確かに裏の顔を知っている俺たちはいつ死ぬかもわからない・・・・でも・・・」
それでもオレは・・・・・・・・
「を守るためならなんでもする」
「お前・・・・・」
「零番隊はオレにとって大事なものだ。でもそれよりもオレは・・・・・が大事なんだ・・・・そのうち四神を与えようと思う」
「あれをか・・・・」
紅輝はまじまじとを見る。
四神とは四匹の神を封じ込めた斬魄刀のことで、鬼道系最強の刀だった。そこいらの死神では扱えない。
だがあえてはその斬魄刀をに渡すと言った。
「おれはあいつを守ってやりたいんだ。死んだあとも・・・・・・」
一瞬だけ、見慣れた笑みがひどく冷たく、また悲しいものに見えた。
「・・・・・・・・一つだけ・・・・・覚えておくといい、・・・・私は何があってもお前の味方だ」
「・・・・・・あんがと、紅輝。やっぱ持つべきものは友達だな」
「あぁ・・・・・」
そうしてはをつれて零番隊に戻っていった。それが紅輝の見たの最後の姿だった。
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