それは今から何十年も前のこと まだ零番隊が有名だったことの話

「たいちょー」

「・・・黒珱・・どうした」

「仕事」

「わかった。そこへ置け」

「りょーかい・・・・・って?何やってんの、そこで」

零番隊副隊長の黒珱は机の脇にすねたような顔をして座っている少女に声をかけた。

「遊んでもらえないの」

「隊長に?」

「うん」

「じゃぁオレが仕事終わらせたら遊んでやるよ、

「ほんとっ?!」

少女は黒珱の言葉に瞳を輝かせた。

「ほんと、だからそれまで香也と朱音と一緒に鬼道の訓練でもしてろよ」

「うんっ!」

は二人の少年の姿を見つけると走って部屋から出て行った。

「たいちょー、なんでの相手してやんないんすか?」

「黒珱・・・・邪魔をするなら斬るぞ」

「うわぁーこわー」

黒珱はニッコリと笑った。

「相手にしないんじゃなくてできないとか?可愛すぎるから相手にしたら仕事ができなくなるから?」

黒珱の発言は図星だったらしい。隊長のは顔を赤くした。

「うわー隊長意外っ!にはめちゃめちゃ甘いんだなっ」

「斬るっ!!」

「きゃー!!隊長が襲ってくるぅぅ!!」

隊長、黒珱副隊長、何をなさっているんですか」

そこへ一人の女死神が入ってきた。

「瞬輝〜〜隊長がオレのこといぢめるんだぜ」

「どちらもどちらですね」

彼女は机の上にどさりと紙の束を置いた。

「なんだ、これは?」

「虚の資料です。あの死神が考えていると思われる虚はまだ現世には出ていませんが、いつ出てくるのかわからないので」

「さっすがは瞬輝ちゃん!」

「すまない」

「いえ、一応これも仕事のうちですしね」

瞬輝は微笑んだ。は資料を手にとった。

「あいつは動くと思うか?」

「確立で言えば、もうしばらくは動かないでしょうね」

「まだそれなりの地位も確立していないしな」

「・・・・・・まだ動くなよ、俺たちも時期を待つんだ」

「「はい」」

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