それからリドルは私の家にいてくれるようになった。
無言で家事の手伝いをしてくれることもある。
時々二人で買い物に行ったり、お茶の時間を楽しむようになったりもした。
私は・・・・・いつの間にかリドルに恋焦がれるようになった。
「リドル、あなたの誕生日はいつ?」
「・・・・・・そんなものは覚えていない」
「もう・・・・・」
「・・・・・・・・・しいて言うなら・・・・・・・お前と出会った日でいい」
「えっ////」
リドルの言葉に顔が赤くなった。リドルは端整な顔に柔らかい笑みを浮かべていた。
「が好きだ・・・・・・」
「リドル////」
私はリドルの唇を避けはしなかった。唇が離されるとリドルが私を抱きしめた。
「君が好きだ・・・・・・少しずつ、少しずつ自分でもわからないくらい小さな想いがいつの間にかこんなに大きくなっていた」
リドルの声が耳をくすぐる。私はそっとリドルの顔を見上げた。
リドルの優しい瞳が私を見ていた。
「あなたが・・・・・あなたが好きよ、リドル」
「僕もだよ、・・・・・・」
リドルのキスはとても甘くって、とろけてしまいそうだった。
頬から首へと滑り降りる指は繊細で、リドルに見られるだけでも私は感じてしまいそうだった。
「。君が欲しい」
「・・・・・・・・・・・・・・うん」
リドルは優しく私を抱いた。
熱い吐息は私の中の何かをかきたてた。
「リドル・・・・・・リドル・・・・」
「ッ・・・・・・愛してる・・・・君だけを・・・」
リドルの声は私の心をどんどん締め付けていく。
「私にはあなただけ・・・・・っ!」
ハァッと荒い息をつきながら、リドルはそっとの顔をのぞき見た。
穏やかな寝顔だった。体のいたるところにリドルがつけた紅い跡がある。
「・・・・・・・・」
リドルはの額に口付けを落とした。
「少しやりすぎたな・・・・・・悪かった」
んぅ、と小さく声をあげてが寝返りを打った。リドルは起きたのかと思い、ドキリとした。
が、どうやら寝ぼけただけらしくはそのあともすやすやと寝息を立て続けた。
リドルは服を羽織ると、外へ出た。
「何年ぶりなんだ・・・・・こんなに穏やかな気持ちは」
自分の手を見て、リドルは言った。
「僕は・・・・・たくさんの魔法使いを殺した・・・・・・そして・・・・・」
"殺されたの"
「僕が・・・・君の兄を殺した・・・・・・・・・っ!」
"・・・・・・・・"
あの時殺した男は何かを言いかけていた。今考えれば何を言いたかったのかもわかる。
「・・・・・・・」
リドルは苦しげにその名を呼んだ。愛しい人の名を。
「なんで・・なんで僕らは出会ってしまったんだろう・・・・・・・・なんで僕は君を殺さなかったんだろう・・・・・」
何故・・・・とリドルは問う。その問いに誰も答えはしない。
「何故・・・・・君の事を愛してしまったんだろう・・・・・・」
何故君に出会い、何故君を殺さず、何故君を愛してしまったのか・・・・・
リドルの疑問が尽きることはない。
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