上級貴族香神家。
そこの邸には百年前に封印された斬魄刀が眠っていた。
その刀があるのは香神家の館の奥深く。誰も踏み入ることを禁じられた場所。
そこへ入っていく人影があった。
「ここか・・・・・・」
その人影はにやりと口を吊り上げる。
ここにあの最凶最悪といわれた斬魄刀が封印されているのだ。
それを解放すれば・・・・・・
「目覚めよ、桜香。そんな狭いところに封じられていては上手い魂魄も食えんぞ?」
少しだけ刀が動いた。人影が満足そうに微笑む。
「そうだ。お前は魂魄を食えず、ここで縛られている。さぁ目覚めろ。そしてこの世界中の魂を食らいつくすのだ!」
刀が光の粒子となって消えた。人影は俯いて肩を震わす。泣いているのか?否、笑っているのだ。
「くくく・・・・・・・・はーはっはっはっは!!滅びろ、瀞霊廷!塵となれ、零番隊!!」
不思議なことに人影の笑い声は外へは漏れ出さなかった。
その日、瀞霊廷に暗雲が立ち込めた。
零番隊の一人が空を見上げ以上に気がつく。それが何を意味するのかも。
彼は急いで隊長のもとへむかっていった。