はソファに腰掛けたまま眠っていた。
リドルはそれを見て笑みを漏らす。時々かくんと頭が前に倒れるのだ。
このままだと倒れかねない。リドルはの隣に腰掛けるとを自分にもたれかからせた。
の髪からただよう甘い香りにリドルはめまいがした。
「・・・・」
そっと名前を囁いて額に口付ける。
そして小さな笑声を耳にした。
「なんだ・・・・」
「いえ・・・・・いやぁリドルらしいなって」
「どういう意味だ」
「別に。幸せだね、リドル」
「・・・・・・」
リドルは黙ったままそっぽをむいた。
声の主ミシェルはクスクスと笑ってその場を去る。
リドルは軽く溜息をついた。
「ん・・・・・・」
「・・・・・・・・」
はゆっくりと目を覚ましリドルを見た。
琥珀色の瞳はどこか虚ろである。リドルは一瞬のことを押し倒しそうになり、それを理性で抑えた。
「リドルさんが何で私の隣に・・・・・・・?」
「お前が寝ていて落ちそうになっていたからだ」
「あっごめんなさい・・・・・えっと重くなかったですか?」
「いや」
リドルは軽く笑っての頬に触れた。
は軽く頬を朱に染める。互いに軽く手を触れ、笑う。
「愛している」
「・・・・・私もです」
リドルはに口付ける。長く、長く。
は息切れし始め、隙間から息を吸おうと試みるがその途端生暖かいものが口の中に入り込んでくる。
「んっ・・・・・ふぁ」
リドルはの後頭部を押さえ身動き取れないように固定する。
「リド・・・・・・んぅ」
「はっ・・・・・・やばい、押し倒しそう」
「リドルさんっ/////」
「冗談」
「リドルさんが言っても説得力ありません!!」
は顔を赤面させてリドルに反論した。リドルはくっくと笑う。
「冗談だと言ったら冗談だ」
「もうっ」
「ただ・・・・今日の夜は何をするかはわからないがな?」
「えっ/////」
リドルは軽く額に口付けて笑った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」
「なんだ?」
「いえ・・・・リドルさんって天使面した悪魔だなって・・・・・・・」
ぶふっと笑い声が聞こえた。とリドル、二人が部屋の入り口を見てみればミシェルがしゃがみこんで肩を震わせている。
リドルの額に青筋がたった。
「ミシェル・・・・・・」
「ごっごめん。でもさんの言うことも当たってるなぁって」
「あぁそうか。好きに言ってろ」
リドルはすねたように顔をそむける。
も小さく笑みをこぼした。ミシェルはくすくすと笑い続けている。
「おなか痛い・・・・・・・・」
「医者にでも行っていろ」
「あの・・・」
「どうした?」
「お茶にしませんか・・・・少し喉が渇いたので」
「いいですね。じゃぁ支度しに行きましょうか」
「はい」
ミシェルとは連れ立ってキッチンにむかった。
リドルはひとり、ソファに深く座り込んだ。
「さんの淹れてくれる珈琲はおいしいんですよね」
「ありがとうございます」
「何か特別なことをしているんですか」
「いいえ。ただ飲んでくれる人がおいしいって言ってくれるように願っているだけです」
「そうなんですか」
「はい」
「さんの特別な人へは?」
ミシェルの言葉にの顔が軽く染まる。
「リドルさんへは・・・・私の想いのすべてを注いでいるつもりですが・・・・・」
「だから夜はあそこまで・・・・・・・・・」
「言わないでくださいっ/////////」
真っ赤になって言葉を紡ぐをミシェルは面白そうに見た。
その瞳には新しい実験台を見つけた科学者のような光が宿っていることには気がつかなかったのである。
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