約束の木
ホグワーツの教師セブルス・スネイプは校庭の隅にはえている一本の木に寄った「すまない。しばらくふ・く・ろ・うのテスト作りでこれないかもしれん」
スネイプは何かを待った
「今回もダメか・・・・」
スネイプは木を見上げた
「何故何も話さない」
この木はスネイプが入学した当時に植えられた
スネイプは休み時間になるといつもこの木の下で休んでいた
ホグワーツに入学して、五年目のとき
ある夜、眠っていると誰かに名前を呼ばれた
「セブルス・・・・セブルス」
「ん・・・・・」
すっと目を開けると美しい少女の顔が目に入った
「うわぁぁぁ!!」
「ごめんなさい・・・・驚かせてしまったわね」
少女はしゅんとうなだれた
「いっ・・・いや・・・」
「私は、あなたがいつも休んでいる木の精よ」
「はっ?」
「私はあの木の精、。いつもあなたを見ていたわ。一生懸命勉強しているあなたを」
スネイプははじめ、何の話をしているのかわからなかった
「私、木の上からいつもあなたを見ていたの。校庭の隅っこに植えられている私のそばに近寄ってきたただ一人の生徒だったから・・・・」
スネイプはと名乗る少女を見た
薄い白い絹でできた服をなるほど・・・確かにマグル(非魔法族)が思い描くような精霊たちのように着ている
「何で僕のところに・・・?」
「私の木のところへ来られる?あっでも・・・規則破りになっちゃうわね・・・・・」
は少し考えた
「それならここでいいわ。現実で見るよりもきれいなのは薄れちゃうけど・・・・・・・・」
すっとはたち上がった
「あなたも来て。あなたに見せたいものがあるの」
「僕に?」
「えぇ」
スネイプはのあとをついていった
「ここよ」
「これは・・・・・!」
あとをついてきたスネイプは驚いた
連れてこられた場所はいつもスネイプが木陰で休んでいる木のそば
その木は花は咲いていないはずなのに、今は白い花が満開だ
「これって・・・・」
「あなたのために」
「僕の・・・?」
「そう。いつもあなたはここにきて他愛ないことを私に向かって話していてくれて・・・それが嬉しかったからこれはそのお礼よ」
「すごい・・・・」
スネイプは感動していた
「こんなに綺麗な花が咲くんだね」
「そうよ」
スネイプはそれから何度も、卒業するまでその木の下で過ごした
「」
「セブルス・・・・明日が最後ね・・・・・」
「・・・・ッ絶対にここの教師になって戻ってくる・・・・・・・だからそれまで待っていてよ」
「・・・・・・うん、待ってるから」
二人はそう約束した
やがてスネイプは約束どおり戻ってきた
一番初めスネイプはすぐあの木とのもとへ向かった
「!我輩だ、セブルス・スネイプだ!!」
が・・・・名前を叫べば出てくるはずのは中々出てこなかった
「・・・・?」
何度も何度も何日も何年も、スネイプはその木のもとへ向かった
が、いっこうには出てこなかった
“何故だ・・・・・”
スネイプはそれから何度も木へやってきては名前を呼んでいった
“待ってるから”
そうした約束を彼は守っている
「・・・・」
“セブルス・・・・”
「出てきてくれ・・・・・・」
スネイプは幹に頭をつけた
“セブルス・・”
「・・・・!」
「セブルスッ!」
懐かしい声が聞こえた。スネイプが顔をあげるとが幹から飛び出てきた
「ッ!!」
飛び出してきた彼女をスネイプはしっかりと抱きしめた
「会いたかった!!」
「何故・・・何故・・?」
「・・・・寝てたの・・・少し力が足りなくなちゃって・・・・でもセブルスが来てくれて助かった」
抱いている彼女は昔と変わらず、それでいて・・・美しくなっている気がした
「会いたかった・・・・」
「うん・・・私も」
は優しくスネイプの頬に触れた
「寂しくなかった?私が出てこなくって」
「少しはな」
スネイプは小さく笑った。は泣きそうな顔をしている。
「どうした?」
「私・・・・セブルスにもう二度と会えないかと思ったわ・・・・・怖かった。あなたがいなくなってからずっとよ」
スネイプは胸をつかれた。この少女は・・・・・自分の愛する少女は一人ぼっちでずっとスネイプのことを待っていたのだ。
「すまなかった・・・・・・・・」
は笑った。
「いいの・・・・こうしてセブルスは戻ってきてくれたんだもの。平気よ」
は背伸びをしてスネイプに軽く口付けた。
「愛してるわ、セブルス」
「我輩もだ・・・」
地面に長く伸びた二人の影が重なった。
*****
あとがき(と称して言い訳と謝罪)
友人の冠菜様へ捧げます。スネイプの好みは難しいです・・・・
苦悩の末考え出したのが、木の精霊ちゃん。
スネイプの何処に惚れたのでしょう・・・・・(スネイプファンの方々すみません)
そしてもう一個謝罪。遅れてごめんなさい・・・・一応メールで原本送ったのですが・・・
多少内容に変更がありますので、お好きなほうで・・・・
それではこんな主の住む邸ですが、いつでも遊びにいらしてください
お持ち帰りは冠菜様だけとさせていただきます
06.06.05