緋色の指輪
は親友の鳥羽茉理とともに竜堂家へむかっていた。 「茉理、始さんとどう?」 「なっなんでそんなこと聞くのよ、は小さく笑った。 「も続さんとはどうなってるの?」 「べっ、別になんともなってないわよ」 「そう?」 茉理は小さく笑った。 は赤くなった頬を両手で隠した。 「好きなくせに」 「・・・・・・」 軽めに茉理をにらみながら、は竜堂家のチャイムを押す。 すぐに足音がして玄関の戸が開いた。 「あっ、茉理ちゃんにちゃん!」 「始兄貴!続兄貴!茉理ちゃんとちゃんが来たぜ」 「あぁ、待っていましたよ二人とも」 「わっ、二人ともすごくかわいい!」 「ありがと、余くん」 は竜堂四兄弟の末っ子余の頭を撫でた。 四兄弟次男の続がを見て驚いたような顔をした。 「なんか、変かな・・・・」 「そんなことないですよ。さぁ、入って」 続に案内されて二人はリビングにむかう。そこに長男の始がいた。 「二人とも来たか。じゃぁ、終、余しっかりと留守番していろよ」 「うん!」 「お土産、楽しみにしてるからなっ」 続も始も出かける用意をして弟二人の頭に手を置いた。 「行って来ます」 四人はそう言って家を出た。 始と茉理は駅でと続と別れた。 「始さん、図書館デートはだめですよ」 「そうですね、兄さん」 と続はからかうように言って、赤くなった二人に追い立てられるようにして電車に乗った。 電車に乗り込んで空いている席に座った二人は周囲の視線にさらされる。 それもそのはず、も続も白皙美貌の持ち主なのだから。 「久し振りですね、こうして二人だけで過ごすの」 「確かに。今までは終くんも余君もいましたからね」 は隣に座る青年の横顔を見つめた。 白い肌に整った目鼻は同性でも目を引かずにはいられない。 女性ならなおさら続に魅かれる。 「ちゃん?どうしました」 「ううん、なんでもないです」 続はそっとの頬に触れた。 「ちゃん・・・・」 「・・・・・・ちょっと、妬けただけです」 「誰にですか?」 「・・・・・続さんに」 続はキョトンとしてを見た。 は顔を赤くしてうつむいてしまう。 続はしばらくを見ていたが、やがてその手を取ると立ち上がった。 「降りましょう、ちゃん」 「えっ、でもまだ・・・・」 「間に合うようには行きますから一度降りましょう」 続に引っ張られては電車を降りた。 「あの・・・・・」 「海が見えるところがあるんです。行きませんか?」 「海・・・・・」 「えぇ。ちゃん、海が好きでしょう」 「・・・・はい」 続とは町の高台にむかった。 「わぁ・・・」 は感嘆の声をあげる。高台からは海が見えた。 何処までも広がっている。 「綺麗・・・・」 「でしょう?」 の隣に続が並ぶ。 「ちゃんが好きだろうなっておもって今までナイショにしていたんですよ」 「私が・・・・」 「前に海が好きだって言ったじゃないですか」 「・・・・覚えていてくれたんですか」 「当たり前でしょう?好きな人のことはなんだって覚えていますよ」 の目からぽろぽろと涙がこぼれた。 続は慌ててハンカチを差し出した。 「すみません。何か失礼なことを言いましたか?」 「違います・・・・・私・・・・勝手に一人で妬いていて・・・・」 「ちゃん」 「続さんを見てると、私が隣にいるのが恥ずかしくなって」 「何故です」 「・・・・」 は何も言わずに首を振った。 「ちゃん・・・僕の隣にいていいのはあなただけですよ」 「でも、私じゃ続さんにつりあわない・・・」 「そんなことないです。僕が好きになったのはちゃんだけなんですから」 続はそっとを抱き締めた。 「愛してますよ、」 「・・・・////」 「そうだ、手を出してください」 「・・・・」 続はの左手を取ると、ポケットから取り出した小箱の中の指輪を薬指にはめ、そっと口付けた。 は驚いて指輪を見た。 真っ赤な指輪である。 「続さん・・・・・」 「僕は紅竜王ですからね。赤い指輪をあなたに贈ります」 は眼を見開いて指輪を凝視する。 そしてその視線を続へとむけた。 「愛してますよ、。僕だけのものになってください」 「・・・・・・・・・・・・はいっ」 続はまたを抱き締める。 「さて、じゃぁコンサートに行きましょうか。それが終ったら夕食」 「ですね」 続とは指を絡め、海に背を向けたのであった。
ドラマCDを聞いて再度創竜伝にはまりました 続兄さん大好きです 腹黒なところと、家族に害をなすものは容赦がないところvv