淡い花の香
「わぁ、友雅さんのお邸も大きいですね〜」
「これからもう少し広くなると思うがね」

あかねは友雅の邸に来ていた。

「友雅殿」
「あっ姫」
「神子様・・・・ようこそ、いらっしゃいました」

あかねを出迎えたのは女らしくなった姫であった。


「瘴気に取り込まれかけていた?」

があかねによって救われたあと友雅は鷹通からそう聞いた。
は強い霊力を持っていて、そのせいで瘴気を引き寄せてしまったらしい。
あかねが来るのがあと少し遅ければ、確実に瘴気に飲まれていたという。
そして後宮入りの話。
神事を行う后となるのに体が穢れてしまい、何もできないということで取り消しとなった。
その後体調がよくなったに友雅は言った。

「姫、あと三日待ってほしい・・・・必ずあなたを迎えに来る」
「・・・・・はい」

そして三日後の夜。
は笛の音を聞いた。

「鷹通兄様・・・・・」
「わかっている。友雅殿のところにいくのだろう」
「はい」

鷹通は何も言わずに送り出してくれた。
そして今は友雅の妻として彼の邸にいるのである。

「神子様には大変なご迷惑をおかけしましたわ」
「ううん。だって鷹通さんに頼まれたんだもの。妹を救って欲しいって」
「そういえば、何故鷹通はの瘴気のことを知ったのだろうね」
「晴明様に教えられたそうですわ。正確にはそのお弟子さんから・・・・」
「泰明さんか・・・・・」
「神子様にも鷹通兄様にもたくさんのお礼をしなければ・・・・」
「ううん。私はいいよ。それよりも友雅さんと幸せになって欲しいな」
「神子殿・・・」

は顔を赤くしてそらしてしまった。
友雅は苦笑する。

「友雅さん、姫を泣かしたら怒りますからね」
「わかっているよ」

あかねが藤姫の邸に戻ったあと、二人は静かな時間を過ごしていた。
は友雅にもたれかかる。

「・・・・」
「はい」
「私はあなたをこの手に入れられてこれほどまでに幸せだと感じたことはない」
「私もですわ。あなたのそばにいられること。これほど幸せなことなどありましょうか」
「ずっと側にいて欲しい」
「・・・・・・あなたが望む限り」

の言葉に友雅は小さな笑みをこぼして口付けを一つ落としたのであった。

Happy Birthday 友雅さん そして二日ばかり遅れてごめんよ もともと11日が誕生日 それに気がついて思いついたのがこれ 本当は帝も出る予定だったんだけれど、落ちが思い浮かばず路線変更 遥か、を知っている方。口調無茶苦茶ですみません・・・・・・・ もうちょっと精進したいと思います