地獄双六
逃げようと、何度思ったことか とは思った だが、 逃げた瞬間必ず 死ぬ 【恐怖の双六大会】 事の始まりは約数刻ほど前 は出仕を早めに終え、戻ってきたところであった そのをが迎え出る 「おーお帰り」 「ただいま」 「晴明がのことを呼んでたぜ」 「りょーかい」 は狩り衣から白い水干に着替えると晴明の部屋にむかった 「うぉっ」 戸に手をかけた瞬間、内から開けられる 胸を押さえて驚いた顔をしていたはふと室内の人影に気がついた 「珍しく神将が勢ぞろいしてるじゃない。って言ってもやっぱ天空はいないか」 室内には神将十一人がそろっている 晴明と三人ほど神将がそろっただけでも狭い部屋である しょうじき言って 暑苦しい 「、よくきたのぅ。ところではどうした」 「?部屋にいると思うわ」 「呼んできてはもらえんかの。も必要だから」 「・・・? うん、それはかまわないけど」 ははてさて、と首をかしげながら、を呼びにいく。もきょとんとしている。 そして晴明の部屋に戻った二人が見たのは巨大な双六である。 「・・・・なにこれ」 「見てわからんか」 「双六」 「そうだ」 「・・・」 とは顔を見合わせる。まさか神将と自分たちとで双六をやれと言うのか。 しかもその、まさか、であった。 晴明は笑顔で言った。 「ちょっと神将と勝負せい」 「「結構です」」 とは即答して、身をひるがえした。 が、部屋を出て行こうとした瞬間に体が動かせなくなる。 「晴明・・」 「逃げることは許さん」 「・・・」 「諦めろ、、。俺たちも逃げようとした」 「逃げようとした瞬間に金縛りにあわなければな」 どうやら強制的に参加させられるらしい。 とは顔を見あわせ、背後にある双六を見た。 なんだかとても危険な感じがする双六である。 「、俺逃げたい」 「私も。でも逃げた瞬間死ぬかも」 「それには同感」 二人は溜息をついて、晴明に向き直った。否、無理やり向きなおされた。 「やるか」 「死なない双六なら」 「死ぬわけなかろう。ほれ、青龍、天后、二人をいれてやらんか」 「・・・」 狭いなー、と口に出して言うわけではないが、本当に狭い。 暑苦しい。 「・・・・」 そして【地獄の】双六大会がはじまったのであった。