可愛い昌浩を甘やかすな
これはまだ昌浩が二つになるかならないか、のときである。
が居候し始めてから二年の月日が経ったある日のこと。(語り部 の式神螢斗)

は縁側に腰掛け、春の日差しを浴びていた。
「だっ」
のそばに今やっと歩き始めた昌浩が近寄ってくる。
昌浩に微笑みかけ、そして視線を上に持っていくと金色の瞳と目があった。
「騰蛇、ご苦労様。昌浩は可愛い?」
「・・・・・・・・・・」
「もう、少しは何か言ってくれてもいいのに」
「・・・・・可愛いとか言ったらお前は間違いなく惚気てるね、と笑顔で言うだろう」
「決まってるじゃない。何を今更」
はそう言って笑う。騰蛇は小さく溜息をついた。
は昌浩を抱き上げ、そしてその重さに眼を見開く。
「昌浩、日に日に大きくなっていくね。私、いつか追い越されるわ」
「何年後の話をしているんだ」
「騰蛇、あなたが昌浩に、とーだっ、ていわれなくなるまであとどのくらいかしらね」
「・・・・・・・・」
騰蛇は無言のまま昌浩をの腕から奪い返した。昌浩は名残惜しそうな顔をしてを見る。
「こいつには俺の至宝を与えた。それで十分だ」
「騰蛇、あなた昌浩には甘いわね」
はフッと笑って言った。騰蛇はきょとんとした顔でを見る。
「そんなに甘やかしたら将来昌浩悪い人に連れて行かれるわよ?」
「・・・・・・・はっ?」
「世間知らずになってね」
ニコッと笑っては言い終える。サッと騰蛇の顔が青ざめた(気がした)
しかしそれでも昌浩を愛しそうに見る騰蛇には内心で爆笑していた。すべては冗談なのに。
「昌浩が可愛いんだったら甘やかしちゃだめよ??」
「・・・・・・・・・あぁ」
は騰蛇って昌浩が絡むとからかいがいがあるなぁ、と思ってしまった。

結論
騰蛇に何かを頼む時には昌浩を出したほうが効率がいい(昌浩に弱いからね)
いらいら発散には是非騰蛇を。昌浩を使えばさらによし。