セイント学園物語 月曜 1,2時限目 【体育】
朝のモーニングレッスンが終るとガイは途端に元気になる。「たいくっ、たいくっ、たいくっww」
「ガイは本当、体育になると元気ですねぇ」
レイは呆れたような顔である。は苦笑をもらした。
「ガイだから」
ラキの言葉にレイはうなずいて、に同意を求めようと彼のほうを振り向いて固まった。
「、白いですね・・・・細いですし」
はちょうどYシャツのボタンを外したところで、白い肌が見えていた。
「本当ですね。、運動はするんですか」
「えぇ。好きですから」
はうなずいた。羨ましいと声があがる。
レイはの腕を取る。自分の腕と比べてショックを受けたようだ。
シンがの体に触れた。
「冷たいですね、でも気持ちいい」
「俺も俺も!」
「やっ、皆で触らないで・・・・くすぐったい・・・・って!どこに触ってるんですか!」
の声と重なるようにして、外からゼウスの声が聞こえた。
誰もが慌てて着替えを再開する。
「高飛びは苦手です」
は呟いた。そして背後からの笑声に振り向く。
「ユダとルカはなんでもできますからね」
「一番はじめに見たが、の飛び方は綺麗だった」
「そうですか」
の番である。高さは二メートルというところか。身長180センチのよりも高い。
はタンッと軽く地を蹴り、バーを越えた。周りから拍手が起こる。
「失敗したやつは列から抜けろ」
なんだかんだでバーの高さは2.5メートル。残っているのは、、ユダ、ルカである。
「俺、辞退しようかな」
「さっさと飛んでください」
の言葉にユダとルカがうなずく。は溜息をついてバーを越えるために走った。
「てっ!」
はバーにつまずき、マットに転げ落ちた。
「しくった・・・・」
の番である。さすがに2.5メートルは苦しいかもしれない。
一度深呼吸して、はバーにむかって行った。
ガッと音がし、の体がバーと共に地面に叩きつけられた。
ユダがすぐにを抱え起こす。
「!」
「ユ・・・・ダ」
「先生、を保健室に連れて行きます!」
ユダはゼウスの返事を待たず、走り出していた。
保険医はいない。が、手当ての仕方は心得ている。
は落ちたとき、とっさに受身を取ったのか、大きな怪我はない。
「大丈夫か、」
「む・・・・」
「うつぶせになれるか。背を打ちつけただろう」
は痛みを堪えているのか、顔をゆがめながらうつぶせにベッドに横たわった。
ユダはの体操服をまくった。白い肌が微かに赤くなっている。
「痛いか?」
「ん・・・・」
ユダはゆっくりとの背に唇を落とした。
「や・・・・・」
「この白い肌を赤く染めるのは俺だけでいい」
「ユダ・・・・照れます。誰かに聞かれたら・・・・」
ユダは苦笑してベッドを個室となすためのカーテンをしめた。
「」
「はい」
「・・・・氷を持ってくる」
ユダはそう言ってカーテンを開けた。が呼び止める。
「あの・・・・・・・もんでくれませんか?」
「どこを」
ユダの問いには顔を赤くした。ユダは、いじめすぎたか、と苦笑し、ベッドに座った。
の背に触れれば、僅かに顔をゆがめた。
「まだ冷やしたほうがいいだろう?」
「ん・・・」
「そうだ、」
「はい」
ユダはの耳元でささやいた。
「お前の肌を傷つけていいのは俺だけだからな?」
いい雰囲気になりかけた二人を邪魔したのはとガイである。
静かな怒りを爆発させたユダをが止められるはずもない。
その日、ガイとは顔中にバンソコウをはってすごしたのであった。