柔らかな日差しの中で
ゴウは日が差し込む窓辺で眠るの姿を見つけた。
まぶしくはないだろうか。窓に近寄ってカーテンを閉める。
ふとの寝顔を見る機会などないことに気がつき、の顔を覗き込んだ。
小さく寝息を立てるは起きているときよりも美しく見える。
ゴウは長めの前髪をはらい、顔を近づけた。こんな無防備なが悪いのだ。
口付けをされても文句は言えまい。だが、が起きては困るため、唇は額に軽く当てただけだった。

「こんなに無防備なが悪いんだからな」

どこか言い訳じみているかもしれない。だが、ゴウはに触れることができただけで満足だった。

、俺はお前が好きだ。まぁ、面と向かっては言えないだろうけどな」

ゴウはの隣に腰掛けた。先ほどまで日が当たっていた机はあたたかい。
ゴウはゆっくりと目を閉じた。
・・・・は誰かの言葉を聞いたような気がして瞳を開けた。
西日がカーテンを通して入ってきている。はふと隣で眠り込んでいるゴウを見た。

「ゴウ・・・・・・?」

小さなうめきをあげてゴウが起きた。
寝ぼけているのだろうか。はゴウに抱き締められていた。

「ゴウ!?」
「よかった・・・・」
「はい?」
「いきなり俺たちの、俺の前からいなくなったから不安で・・・・」

夢なのだろう。はゴウを抱き締め返した。
口元に小さな笑みを浮かべてゴウを見れば、少しだけ困惑した表情がその顔に浮かんでいる。

「馬鹿ですね、私があなたのそばからいなくなるわけないでしょう?好きな人からは離れたくなるっていう人ならまだしも」
、今・・・・」
「私は大切な人を辛い目にあわせたくないんですよ。ゴウは違いますか」

のいっている意味がわからなかった。は指先をゴウの唇に当てる。

「私は、あなたが好きなんです。あなたのそばからいなくなるくらいなら、死んでやります」
・・・その言葉、嘘じゃないのか」
「私、好きな人の前で嘘をつけるほど器用ではありませんから」
「・・・・・俺もだ、と言ったらお前はどうする」
「嬉しくてゴウに口付けてしまいそうです」

は微笑みを浮かべた。ならば、とゴウは耳元で囁く。

「愛してる、
「私もです、ゴウ」

は宣言どおりゴウに口付けてきた。互いの顔に笑みが浮かぶ。
ゴウはの体を強く抱きしめてその耳元で囁いた。

「もう、二度と放してやらないからな」