セイント学園物語 放課後セイント
人気のない廊下をは歩いていた。向かう先は生徒会室である。

「ユダ、入りますね」

は戸をノックして中に入った。
広々とした室内、窓際には大きな机がある。
そこに生徒会長のユダがいた。

「まだ仕事を?明日もあるんですから、早めに寮へ戻れば」
こそ。寮へ戻らないのか」

はユダから顔をそらした。
ユダはペンをおくとを手招いた。はむすっとした顔のまま、ユダに近寄った。

「俺を待っていたのだろう?」
「ちがっ・・・・・・ん」

ユダはを抱き寄せ口付けた。
ゆっくりと口内を嘗め回され、の体から力が抜ける。

「どうせ誰もいないんだ。も我慢できないだろう」

は顔を真っ赤にしてそらした。
ユダは熱を帯び始めた頬に唇を落としたのであった。

「シン、まだいたのか」
・・・・えぇ読みたい本があったので。は?」
「風紀委員の見回り当番」

はそう言ってシンの前に腰掛ける。
シンは読んでいた本を閉じた。

「なぁシン、今日俺の部屋に来ないか」
「えっ、でもが・・・」
「ユダと生徒会室でよろしくやってるさ」

はそう言うとシンをじっと見た。漆黒に輝く瞳に射抜かれて落ち着かなくなる。

がいいのなら、お邪魔します」

シンの言葉には嬉しそうな笑みを見せた。シンは頬を染める。

、こんなところにいたのか」
「ルカ。どうした?」
「お前が中々報告をしにこないから、こちらから探しに来た」
「それは悪いことをしたな」
「まったくだ」

ルカは軽くの頭をはたいてからシンを見た。

「邪魔をして悪かった」
「いえ」
「ルカ、邪魔をしたと思ったならさっさと帰れ。レイが探していたぞ?」

ルカにがそう言うと、彼は慌てて図書室から出て行った。
はほっと息をついて、シンを見た。

「これでゆっくりできるな」
、でも寮に戻らないとパンドラがまた」
「わかってる。行こうぜ、シン」
「はい]

とシンは連れ立って寮へ戻って行ったのであった。