独占欲
「」「シヴァ?どうかしたのか、機嫌がいいようだな」
「とってもね。は、今なにしてるの」
「読書」
シヴァはの隣に座る。はパタンと本を閉じた。
シヴァは少し残念そうな顔をする。
「どうかしたか?」
「ううん。ただ・・・・・の本を読んでいる姿が好きだったから・・・残念だなって」
「おやおや・・・・」
は小さく笑った。シヴァは少し顔を赤くする。
「シヴァも本を読むか。もちろんいきなり難しいのでなくとも・・・・・」
「の、貸してくれる?」
「あぁ、いいぜ」
がうなずいたとき、他の天使がに声をかけてきた。はシヴァから視線を外し、天使たちのほうをむいた。
シヴァはの腕を引いて抱き締めた。はびっくりしたような表情である。天使たちも驚いてシヴァを見ていた。
「に馴れ馴れしく口利かないで」
「シヴァ・・・・・・?」
天使たちは口々にシヴァへの罵りの言葉を言いながら去っていく。シヴァはふんと息をつくとを離した。
「おい、シヴァ・・・・」
「ねぇ、。ユダとか、ルカとかと話すのはかまわないんだ。それは、ボクも我慢できるから。でも・・・・それ以外のやつらと話さないで」
「なんでだよ、シヴァ。俺は他の天使たちとも仲良くしたいと思ってるぜ・・・・・」
「許せない・・・・・・が、他の天使たちと会話しているのを見るのが」
は悲しそうな顔をしてシヴァを見た。シヴァはぐっと引き下がるが、を抱き締めた。
「が好きなんだ・・・・本当は僕だけを見て欲しい。でも、そんなことしたらはきっと悲しそうな顔でボクを見るから」
「当たり前だろう。それに、シヴァ。お前もしかして嫉妬してるんじゃないのか」
の指摘にシヴァは顔を赤らめた。どうやら図星であるらしい。
は小さく笑った。
「俺の想いは端的だからお前によく伝わらないのかもしれないな」
はそっとシヴァの腕を引いて胸の中に閉じ込めた。
「俺が愛してるのはシヴァ、お前だけだ。だから、そう嫉妬するな」
「・・・・・・本当?」
「あぁ、もちろん」
「じゃぁ、その証拠・・・・くれる?」
「お前がほしいって言うならいくらでも」
はシヴァの服の首元を緩めると唇を落とした。
シヴァは唇の感触に目を閉じた。は軽く歯をたて、シヴァの首元に赤い痕をつけた。
「あっ、・・・・」
「痕、残したぜ。お前は俺のものだろう」
シヴァはの言葉に嬉しそうに笑った。
はちっと軽く舌打ちする。
「・・・・・?」
「悪い、もう歯止めがきかねぇ」
は角度を変えて何度もシヴァに口付ける。
「もう、お前が嫉妬できないほど、俺が愛してやるよ」
耳元で低く囁かれた言葉にシヴァは顔を赤くしたのであった。