木漏れ日

それはボクと正反対の天使。
明るくて人気者で、強い。
そんな彼が好きなんだ。

シヴァは木陰でうとうとしていた。
はフッと笑う。

「可愛いやつ」
「ん・・・・

シヴァは小さくの名を呼んだ。はシヴァがどんな夢を見ているのか気になった。
ちょうどキラが歩いていたため、その腕をひいてシヴァの夢に入りたいとせがむ。

「別にいいが・・・・・お前はかまわないのか」
「ああ」

キラは溜息をついて、をシヴァの夢へ入れた。
はシヴァの夢を漂う。

「あれ・・・・・」

目の前の光景には軽く胸を痛めた。
ユダとシヴァが楽しげに笑いあっていた。

「夢の中だけでもいい想いするってか」

は耐え切れなくなり、その光景に背を向けた。
辛い。
は尊敬できる天使としてユダが好きなのである。
シヴァはそれ以上のもの。愛といわれるものだろう。

「想いを伝えられないくせに」

夢から出て行こうとしたときだった。ふっと周りの様子が変わる。

ッ!」
「えっ・・」

嬉しそうにの名を呼ぶシヴァの声には振り向いた。
シヴァは夢の中のへ近寄っていく。夢の中のは嬉しそうに笑った。

、ボクのこと好き?」
「あぁ」

シヴァの顔が輝く。そしての耳元で何かを言った。
は微かに笑むとシヴァに口付けた。

「シヴァっていっつもこんな夢を見てるのか・・・・」

は急に恥ずかしくなり、シヴァの夢から抜け出す。

「シヴァ・・」

キラはもういない。シヴァの顔に木漏れ日がさす。
は先ほど見た夢を思い出し、口元にゆっくりと笑みを浮かべた。

「愛してるよ、シヴァ」

ゆっくりと眠るシヴァに口付ける。
唇をはなすとシヴァが目覚めた。まるで人間たちのおとぎ話のようである。

「おはよ、シヴァ」
・・」
「いい夢みれたか?」
「うん、とっても」

シヴァの笑顔に陽光がさす。
はシヴァに小さな笑みを浮かべ、口付けた。

「シヴァ、俺はお前を愛してる」
?!」
「ずっと」

シヴァは顔を真っ赤にした。は軽く声をたてて笑う。

「ぼくもだよ、

シヴァの笑みを見て今度はが顔を赤らめる。
シヴァは笑ってに口付けた。
二人の天使の笑い声にあたたかい木漏れ日が降り注ぐのであった。