セイント学園物語 月曜 昼
「ユダ、。戻ってきたんですね」「はい。お昼ですし」
「打ったところはもう大丈夫か」
「えぇ。ユダが癒してくれましたから」
ゴウがユダに意味深な視線を送った。ユダは小さな笑みを浮かべる。
「二人は弁当なのか」
「あぁに作ってもらった」
に視線が集中した。は頬を染めてユダを見る。
「あなたが作れって言ったんじゃないですか」
「まぁ落ち着いて」
はぶつぶつ言いながら弁当を二つ取り出す。そしてそのうちの片方をユダに渡した。
「大丈夫ですよ、」
シンがそうに耳打ちした。
「どういうことです?」
「私もに作ってきたんです」
「でもシンって料理が苦手では」
「はい、レイに手伝ってもらったんです」
見ればシンの指にたくさんのバンソコウが巻かれている。
「おーい、いつもの席取れたぜ」
「ご苦労様です」
「おや、ガイは?」
「ゴウと自分のパンを買いに行ってる」
はそう言った。彼らは中庭の大樹へとむかった。
そこにキラとマヤがいる。マヤはを見ると飛びついてきた。
は体の痛みに顔を歪める。
「キラ兄さんから聞いたよ。体育のときに怪我したんでしょ」
「えぇでもユダに癒してもらいましたから、大丈夫ですよ」
キラの瞳がユダにむいた。ユダは彼のそばによって行く。
キラはゆっくりと目を細めた。
「になにしたんですか」
「なにも?」
「じゃぁ首筋についている赤い痕は?」
ユダははっとしてをむいた。は不思議そうな顔をしてユダを見返す。
「やっぱり、ユダさんを抱いたんでしょう」
「さぁどうだろうな」
ユダはそう言うとの隣に座った。はユダを見て微笑む。
ユダはに作ってもらった弁当を開いた。中にはユダの好きなものばかりが栄養のバランスよく入っていた。
向かい側でもシンの弁当を開いている。は嬉しそうに笑った。
シンはへの想いを弁当に託したようである。の唇がシンの額に落ちた。シンの顔が赤くなる。
は羨ましいと想い、隣のユダを見た。ふと、ユダの口元に笑みが浮かぶ。
「羨ましいと想うのか」
「別に」
は心をユダに読まれ、恥ずかしくなり顔をそらした。
「」
だが、いとおしそうに名を呼ばれるとどうしても振り向いてしまう。
「んっ・・・」
振り向きざま、はユダに口付けられてしまう。みんなの視線が集中してくるのがわかった。
ユダは唇を割って舌をいれてくる。
「ユダ・・・・・・・っ」
「こうしたかったのではないのか?」
ユダは笑う。
「そんなことをするなら、もうお弁当を作ってきませんよ」
「それだけはいやだな」
「でしょう?」
だが、とユダはの耳元でささやく。
「は作ってくる、必ずな」
「ユッ・・」
ユダは小さく笑うと弁当を食べ始めた。
との目があう。の口が、ご愁傷様、と動く。
は二度とユダに弁当を作ってくるものかと心に決めたのであった。