はじまり
「ユウラーつれてきたぜ」「あぁ、ラキご苦労様です。あなたたち、いらっしゃい」
ユウラはラキとその背後にいる天使たちに目を向けた。
「そろそろ皆も来ると思います。アンとメアは、パンドラとカサンドラのところにいますね」
「あぁ」
ユウラは背後を見た。友人たちが連れ立ってやって来る。
ユウラはラキとその背後にいる天使たちについてくるように言った。
「待ってましたよ、皆さん」
「元気そうだな、ユウラ」
「えぇ。で、なんだかメンバーが多くないか?」
「はい。実は頼み事ということに関係あるのですよ」
やってきた面々はなんとなく嫌な予感を感じた。
「私の配下で上級天使なのですが、今まで私の命によって地上に降臨していたんです。いわゆる守護天使ということで」
「で」
「で、彼らを呼び戻したんですけど、実は天界が様変わりしてるんで、案内してください。ちなみにそれからのお世話もお願いします」
・・・・・・
しばらく、そんな空気が流れる。
ユウラは首をかしげて不思議そうに友人達を見た。
「じゃぁ紹介しますね」
「ゴウには、こいつ。月明のルナ」
「はじめまして」
ぺこりと頭を下げたのはおっとりたした空気をまとうオレンジの髪の天使である。
翠の瞳がゴウを捉えた。
「で、レイには黎明のサラを」
「はっはじめまして!」
頭を下げた拍子に灰色の長髪が目の中に入ったらしい。涙目でレイを見た。
「シンには蒼聖のカルを」
「はじめまして」
明るい茶色の瞳を細めて彼は首をかしげた。
どこかに漂っていてもおかしくないような天使である。
「ガイにはこいつ。絶対に息があうと思うぜ」
「瑠璃のソラです!ガイっていうだよね、悪戯好き?」
「大好き!!」
「って、あー!!」
騒がしい天使である。その天使が指し示したのはキラである。
指し示されたキラも驚いてソラを見ている。
「キラ(ソラ)?!」
「二人は幼馴染でしたね〜」
「で、ユダにはこいつ」
「黒曜のスウといいます。よろしくお願いします」
「で、ルカには」
「藍玉のシアです」
ほわっとした笑顔を彼は見せた。
「キラには」
「リン、だ。よろしく頼む」
「マヤには彼。仲良くしてあげてくださいね」
「あっあの、白雅のリラといいます・・・・」
ユウラは一同から離れているシヴァに目を向けた。シヴァはユウラを見て、首をかしげる。
「シヴァにも頼みます。陽光のルオ」
「はじめまして。私の迷惑にはならないでくださいね」
「・・・あと、パンドラとカサンドラにも頼んでいるんです。天河のアンと風雪のメアといいます。会うこともあると思うンで仲良くしてください。二人とも神官ですよ」
なんともいえないメンバーである。ユウラは自分でもこの組み合わせにして良かったのかと思ってしまった。
「まっ、後悔しても仕方ないですね」
ラキはユウラの言葉を聞いて苦笑した。なんともいえない言葉である。
最近のユウラは性格が変わってないだろうか。
「じゃぁよろしくお願いしますね。あぁそうそう、泣かせたら殺しますよ」
「ユウラさ〜ん、性格間違ってます・・・・」
「間違ってませんよ、ラキ。ほら、あなたはさっさと親衛隊に戻りなさい」
「・・・・・・・・・」
ラキは溜息をついて、親衛隊に戻ったのであった。
ユウラはメンバーを見て、まぁいいかと考え直す。
「それじゃぁ、あとはよろしく。何かあったらいらしてくださいね」
ユウラはそう言うと神殿へと戻って行ったのであった。