はどんどん先へ進んでいく。白哉は彼女のあとを追っていくのだけで必死だった。
「様!!」
しばらく歩いたのち、が立ち止まってそう叫んだ。またまた何もないところだ。
しかし何もないと思っていたところにまた、扉があらわれ、今度は内側から開けられた。
青年が一人顔を出す。
「さんでしたか・・・・・・・おや、そちらの方は?」
「朽木白哉といいます」
「朽木・・・・・・まぁどうぞ。さん、優姫様はいかがなさいましたか?」
「えっと・・・・・・あのね、紀洸さん・・・・」
「紀洸、優姫からだ。はお見合い途中にお見合い相手もろとも蒸発したらしい」
紀洸という名の青年の背後から声が聞こえた。
その声は白哉にとって馴染みのある声だった。
「そうでしたか・・・・・」
「あとで送っておけ。もうすぐ暗くなる」
「わかりました」
「、おいで」
「はい、様」
「それからの後ろにいる少年も」
と白哉は紀洸に案内されて中に入って行った。途中で二人の死神が姿を見せる。
銀髪の少年と赤髪の背の高い青年。二人は紀洸たちの姿を見ると笑顔を見せた。
「ちゃん、久し振り。どないしたん?ここんとこ、姿を見せへんかったけど」
「ごめんなさい、でも何もなかったよ?」
「あれ?その後ろの子は誰、紀洸」
「朽木白哉・・・・だ」
「私の許婚なんだって」
「そうなん・・・・・へぇ、まぁちゃんにつりあいそうやけど」
は二人の死神と話していた。彼らは白哉の記憶を刺激した。
似すぎている。彼らに・・・・・・幼い頃、よく彼につれてこられた少年たちに。
「ほな、わいらは仕事やから。ゆっくりしていき、ちゃん」
「うん!」
「キミも。ちゃんの許婚なら隊長がのけ者にせぇへんから安心し」
青年が白哉の頭を撫でて外に出て行った。
「白哉、行きましょう」
「うん」
二人は紀洸について奥へと入って行った。
やがて紀洸は一つの部屋の前で足を止めた。
「様、お二人をお連れしました」
「入れ」