偽りの愛なんか囁かないで
「、おはよう」「おはよう、ティキ。今日はお仕事いいの?」
「といたいからお休みvv」
恋人であるティキの言葉には苦笑を漏らした。
翌日にまとめて仕事をやっているのは知っている。
「今日の朝飯は?」
「そうねぇ・・和食的なものにしようかなって」
「和食ねぇ・・・味付けは濃いほうがオレは好きだな」
「わかってるわ。作っている間にシャワーでも浴びてきたら?」
「そうする」
から離れてふと外を見ると下に日傘を差した喪服の女が立っていることに気がついた。
ティキはのほうをうかがい、そっと外に出る。
「メロディ」
「久し振りね、ティキ。元気そうで何よりだわ」
「どうした?」
「千年伯爵は招集をかけたくてうずうずしているの。そろそろお遊びはやめにしたら?」
「でもあいつ結構いい情報網持ってるんだけど?」
「エクソシストたちの情報なら私がいっぱい持ってるわ」
「・・・・・・・じゃぁそろそろ戻ろうかな」
「戻ってらっしゃい。あんな女より、私のほうがいいでしょう?」
メロディの言葉にティキは笑みをこぼした。
頬に触れるだけのキスをして、ティキはメロディの瞳を見つめた。
「さっさと終らせてくるから、そこらへんで待ってて」
「んもう、暑いのよ。だからね、こうしましょう」
メロディはティキの耳にそっと囁いた。
ティキはだんだんと笑みを深くしていく。
「いいな。じゃぁそれでいこう」
ティキはの部屋に戻った。
はティキを見て笑顔になった。
「ちょうどできたところよ。食べましょう」
「あぁ、・・・・その前に話があるんだけどいいか?」
「話?えぇ、かまわないわよ」
の目の前にティキは座った。
「それで話って?」
「あぁ・・・・・・そのには悪いんだけど、別れてもいいか?」
「えっ?」
はティキに言われた言葉が理解できていないようだった。
困惑した表情でティキを見る。
「どういうこと?」
「・・・・・・物分りが悪いなぁ・・・・だから別れようって言ってるんだ」
「なんで?私のこと嫌いになった?」
「・・・・のこと、俺はもとから好きじゃないけど?」
の瞳にみるみる涙が溢れていく。
ティキはそれを見て笑った。
「お前の情報網は結構役に立ったけど、俺にはやっぱメロディしかいないから」
「メロディ・・・?」
「はじめまして、さん」
の前にメロディが姿を見せる。メロディはティキの首に腕をまわした。
「ティキがお世話になりました。でもティキには私しかいないの。だからもうあなたはいらない」
「そういうこと」
「・・・・嘘つき」
はティキをにらみつけた。
「勝手に信じたお前が馬鹿だったんだよ」
「最低っ」
くすっとティキは笑ってを見た。
「、愛してるよ」
「っそんな偽りの言葉なんていらない!もう消えて!私の前からいなくなってよ!!」
ティキは立ち上がる。メロディが腕を絡ませた。
「じゃぁな」
メロディとティキは背後に現れた扉の中に消えていく。
はその場に泣き崩れた。
「ふふっ、ティキもひどい人」
「信じたあいつが馬鹿なだけだろう?」
「あらそれでも夜は愛を囁いていなかった?」
「あれは嘘・・・・本当に愛しているのはお前だけ」
ティキはメロディに口付けながらクスリと小さな笑みを漏らしたのであった。