今、旅人の少年は始まりの夜に
アレンはじっと教団から外を見ていた。
明るい月が真っ黒な空に浮かんでいる。

はリビングの窓辺に座って空を見上げていた。
真っ暗な空に星星が燦然と輝いている。

アレンはどこかにいるのかもしれない仲間に想いをはせる。
まだアレンの旅ははじまったばかりであった。

は遠い過去を思った。
まだ彼の旅は続いている。

ラビは星を見上げた。
一際明るく輝く星がある。

冬乃は時計を見つめた。
ゆっくりと進み続ける時計はまだ12時を指さない。

は壁にかかった団服を見つめた。
新しいものだ。の旅はこれから新しく始まるのである。


アリサはガラスに映る自分を見た。
ふと遠き昔が思い出される。
アリサは小さく赤い唇に微笑みを浮かべた。

ティキは葉巻から煙を吐き出す。
バルコニーに寄りかかって空を見上げた。
何も視えない。


千年伯爵は高い塔のてっぺんに立って笑った。



「さぁ始めましょウvv終末という名の宴ヲ」




旅人たちは始まりの夜に想いをはせる。

これから出会う者も、これから別れる者も
敵も味方も
道化も死神も
死も生も


すべてが始まりの一歩を踏み出した。