おかえり
綺麗な紅・・・・・紅はお前が一番気に入っていた色さ
でも人の体から流れ出る紅は嫌いだった・・
「」
手を伸ばせばお前が目の前で笑いながら手を差し出してくる様子が浮かんできて
でももう二度とそんななことがないと、俺は知ってる。
「ごめんさ・・・・・」
アクマの最期の抵抗でラビは傷ついた。死ぬのも時間の問題だろう。
ふと頭の奥で声が聞こえた。
「お〜ラビお帰り」
「ただいま、」
ラビはに抱きついた。は苦笑しながら抱き返す。
「おれ、のおかえり、って言葉聞くとなんだか嬉しくなるんさ」
「お前になら何度だって言ってやるよ、ラビ」
はラビの耳元に唇をよせ、低く囁いた。
「おかえり、ラビ」
「うわっ、ちょ・・・・・、すっげぇ今のきたさ」
「んなの、俺のせいじゃないし〜?」
の声で"おかえり"といわれるのが好きだけど。
でももう聞けないさ・・・・
「・・・・・・・愛してる」
二度とその声を聞くことはないだろうけど、でも俺はどうなったってを愛してるから。
ゆっくりとラビの意識が落ちていった。
「ラビ?」
は背後を振り返った。リナリーが不思議そうな顔をしてを見る。
「どうしたの、君」
「いや・・・・ラビに呼ばれたような気がして」
そんなことあるはずないか、とは思う。
「そういえばラビは明日にも帰ってくるって」
「まじ?じゃぁ、また一番に出迎えないとな」
「ふふっ、そうだね」
"おかえり"
どうかもう一度その言葉を君の声で・・・・