あなたと一緒に
「ルシファー様」

「ユウラか・・・・・・」




長い黒髪の美しい天使長は私にとって憧れの人だった。




「何を読んでおられるのですか」

「まだお前には難しいものだ」


そう言ってルシファーは本を閉じてしまう。軽くすねたような顔をして彼を見るユウラの額を軽くはじくとルシファーは立ち上がった。


「暇か、ユウラ?」

「はい。ゼウス様の御用もないので、しばらく散歩でもと思ったのです」

「ならば少しここにいるといい。ガブリエルも来るだろうから」

「ガブリエル様と仲がいいのですね・・・・・羨ましいな、私には仲良くしてくれる天使がいないから・・・・・・・」

「私ではいやか、ユウラ。お前と仲良くしている天使は」

「ルシファー様が・・・・・いやではありませんっむしろとても嬉しいのです!!」


ユウラの無邪気な喜びようにルシファーも微笑を浮かべた。滅多に見ることのできない微笑にユウラはしばし見惚れた。


「ユウラ?」

「あっすみません・・・・・」


ユウラは顔を真っ赤に染めて俯く。ルシファーはユウラの顎に手をかけると自分の方へ顔をむけさせた。

真っ赤になった顔がルシファーを見ている。


「何を紅くなる」

「いえ・・・・・・恥ずかしくて」


紅くなった顔を見られたくはないのです、と小声で呟くユウラを見てルシファーは笑った。


「わっ笑わないでください!!」

「すまない。お前が可愛らしくてな」

「私が可愛らしいって・・・・・・・//////ルシファー様!!」


さらに真っ赤になって怒ったように頬を膨らませるユウラの頬にルシファーは手をかけた。怒ろうとしていたユウラはふいをつかれ、唇を奪われる。


「?!」


顔を離すとルシファーの目に硬直したまま動けないでいるユウラの姿が映った。


「ユウラ、お前は私のものだ。ゼウスのものではない」

「ですがルシファー様・・・・」


異論を唱えようとしたユウラの口がまた塞がれる。今度は長く、深く。

ゆっくりと舌を絡め取られ、ユウラは心地よい感情に浸ってゆく。


「ユウラ、いつか私は天界に逆らう。そのとき一緒に来ないか?」

「天界に逆らう・・・・・・」

「そう・・・・・・ガブリエルもいる」

「・・・・・ルシファー様、それはとても嬉しいお誘いです。できることならば私はあなたと共にありたい・・・・・・でも私はゼウス様に縛られている身です。あの方を裏切ることはできない」

「ユウラ・・・・・」

「お許しください、ルシファー様」


ルシファーの手がユウラの髪を滑り落ちていく。ゆっくりと・・・・

やがてユウラはルシファーに抱きしめられていた。


「ユウラ、忘れないで欲しい。どんなに離れていようとも私はお前と共にあるということを」

「もちろんです、ルシファー様・・・・」

「私はお前を・・・・・」



















愛しているよ












それからしばらくして天界に反乱起こる。
ルシファー及びガブリエルは神に戦いを挑み、負け、地獄へと落とされたのであった。