カボチャが笑う
明日はハロウィン。ホグワーツにはたくさんのカボチャと蝙蝠で飾りつけがなされた。

「はぁ〜すごいね、シリウス」
「確かに」
「美味しいものもたくさんあるし」
「リーマスは結局そこかよ」

はクスクスと笑って友人達の話を聞いていた。
リーマスはハロウィンに出される料理のことで頭がいっぱいらしい。

「ジェームズ、仮装パーティも今年はやるんだって。きっとリリー可愛いカッコしてくるよ」
「本当っ!?」
「うん。何なら本人に聞こうか?」

ジェームズはブンブンと音がするくらい音を振ってうなづいた。
は友人の姿を探してきょろきょろする。

「皆、どんな仮装するの?」

ピーターが彼らにたずねた。シリウスたちはそれぞれ顔を見合わせてニヤリと笑った。

「それは内緒だな。当日の楽しみだ。考えがないなら俺たちが考えてやるぜ?」
「うん!ありがとう」

その日シリウスたちは寮にこもって何か準備をしていた。
は同室のリリーと一緒にどんな仮装をするのかと相談していた。
ホグワーツ中が楽しみにしているハロウィンの日。

「おはよ、どんな仮装にするか決めた?」
「あぁ」
「楽しみね」

は、ねーっとリリーと笑い会う。
あっという間に昼の時間はすぎて、夜の時間になった。

「リリー、着替え終わった?」
「もうちょっとー」
「でも魔女が魔女のカッコしてどうすんの?対して変わんないって」
「ミニスカだもん」
「あ・・・・そう」

は小さく溜息をついて自分の格好を見下ろした。
下着が見えるか見えないかギリギリの丈をしたミニスカ、体の線がはっきりとわかる黒いシャツ、
チェーンが銀色に鈍く輝き、背中につけた黒い羽が照明の光を鈍く反射させた。
スカートにつけたのは悪魔のしっぽ。スラリとした白い足を隠すのは黒のロングブーツ。銀色の髪が黒い衣装に映えていた。

「おまたせー」

リリーが出てくる。と同じくらいの丈をしたミニスカ、ショートブーツ。手には上のほうに赤い石をはめた細長い杖を持っていた。

は小悪魔なんだ」
「うん・・・・・違和感ないね、リリー」
「でしょう?じゃっ、行きましょう」

二人は談話室に下りていった。既にシリウスたちが仮装を終えて待っているはずだ。

「リリー!待ってたよ〜」

談話室に四つの影を見つけると同時に包帯男がリリーに飛びついてきた。リリーは問答無用で男に足蹴りを喰らわせる。
吸血鬼が哀れみを込めた目で包帯男を見ていた。他にいるのは狼男にフランケンシュタインだ。

「シリウスは吸血鬼なんだね。でもリーマス、あなた狼人間のカッコしても意味なくない?本物なんだし」
「いいの」
「別にあなたの好きだからこれ以上は文句は言わないわよ。で・・・・・あの包帯男はジェームズ?」
「見りゃ分かるだろう」
「あっそ。じゃぁ二人は放っておいていいわ。先に行きましょう」

シリウス、リーマス、ピーター、はリリーとジェームズを置いて大広間に向かった。
満点の星空にたくさんの蝙蝠が飛び交い、カボチャがいたるところで笑っていた。宙には蝋燭も浮かんでいる。
広間は仮装した生徒で溢れかえっていた。

「・・・・・唖然」
「そうだな」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

はピーターを見下ろした。ピーターはおどおどした目でリオンを見上げた。

「ピーター、迫力ないわよ」
「わ・・・・・・・わかってる・・・・でもシリウスたちがこれでいけって・・・・・」
「大丈夫大丈夫。そのうちもっと大きくなるわ。ほら、何か食べてきたら?どうせ、リーマスもお腹すいてるんでしょ」
「うん」
たちは?」
「私はお腹減ってないの」
「俺も」
「わかった。じゃぁ行こう、ピーター」
「うん」

リーマスとピーターが食事を取りに行くと、シリウスとは顔を見合わせた。
喧騒から離れようと二人して窓際による。

「あ〜、言い忘れてたけどその格好」
「ちょっと危険でしょ」
「ちょっとどころじゃないって」

シリウスは真っ赤な顔をしていた。
広間中の男子生徒の半分はのありえないほどナイスな格好に釘付けだ。
少し動くだけでスカートの中が見えそうになるのだから。

「シリウス・・・・・」
「うん?」
「"Torick or Treat"」
「なんでもいいのか?」
「うん」

シリウスは壁に手を突いて、こちら側を見てくる生徒の目からを隠した。
の頬が間近にあるシリウスの顔にどぎまぎしたのかピンク色に染まった。

「んじゃ・・・・・」

優しくシリウスのそれがリオンの唇と重なった。はシリウスの口の中にある甘いものを探すかのように舌を動かした。
シリウスは少し眼を見開いたが、口の端をつりあげると、舌を絡ませあった。

「ん・・・・・・・ふっ」

シリウスの片手がの腰を引き寄せた。

「あん・・・・・馬鹿、さすがにやりすぎだって」
「何を言っているんだ。お前からもと「あ〜そうでしたね、すみませんでした

は肩で息をしながら、シリウスを睨みつけていたがやがて背を向けた。
シリウスは笑みを浮かべるとを後ろから抱きしめた。

「"I go into mischief if I do not give you."」

その言葉を聞いたの顔が真っ赤になった。シリウスはを自分の方にむけ、顎に手をかけた。

「どう?」
「・・・・・・あげても悪戯するでしょ・・・」
「よくわかってる」

シリウスとはもう一度口付けあった。

「ジェームズ、そのカッコ・・・・・・」
「?」
「変・・・・・(笑)」
「え・・・」
「もう、やぁね、本気にしないでよ。嘘よ、嘘」
「本当?」
「うん。あ・・・・・・」

リリーは窓際の恋人達に気がついて声をあげた。
ジェームズもリリーの視線を追ってにやりと笑う。

「やるなぁ、シリウス」
「はぁ・・・人目があるってことわかってんのかしら」
「わかってるだろ。多分僕の予想では、このあと二人はベッドインだね」
「ジェームズ・・・・・」
「いつまでも初々しい恋人達のままなんだよ、リリー。そう、僕たちのようにね」

ジェームズは悪戯っぽく笑うとリリーの頬に口付け、耳元で甘く囁いた。

「"I go into mischief if I do not get you."」
「//////あなたはいつだって悪戯してるくせに・・・・」

リリーは真っ赤になりながらも嬉しそうに笑った。

カボチャの笑う夜は更けていく
恋人達の甘い睦言とともに

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ハロウィンフリー夢です
私も“恋人くれなきゃ、悪戯するぞ”と言って見たいです(やめろ)
もちろん冗談です
しばらく誰もいらないです
ハロウィンというよりも恋人達の惚気のほうが多い気がします
授業の合間にこつこつ(というかむしろ授業中に)書き上げました
というわけで英語のつづりは気にしないでください
気になる方は是非翻訳してみて!!
お持ち帰りなさる方は教えてください
またサイトに載せる場合はURLを忘れずにお願いします
それでは皆様
Happy Halloween!!