心の隙間
ただそばにいてくれるだけでいい
それで十分だよ

「紅蓮」
、どうした?」

金色の瞳がを見上げる。
は紅蓮の額に唇を落とした。

「一緒に星を見ない?」

紅蓮は笑顔でうなずいた。
二人は庭に出る。はそっと紅蓮にもたれた。
頭の上は数多の星で埋め尽くされている。

「キレイだね」
「あぁ」

紅蓮はの肩に腕を回した。

「私ね、紅蓮とこうして星を見るのが夢だったんだよ」
「安っぽいな」
「むぅ・・・・・そういう紅蓮の夢は?」
「お前と永遠にいられるように。、そうだろ?」
「うん。でも私は安っぽくてもいい。紅蓮が隣にいてくれるから」

紅蓮は小さく笑うとそっとに口付けを落とした。

、お前電車の中で俺の隣に座っていても幸せだろう?」
「うん。当たり前じゃない」
「やっぱり」

は笑って紅蓮に抱きついた。
紅蓮もを抱き締め返す。
傷ついた心を抱えていた二人が出会ったのはほんの少し前。
互いに一緒にいることで、心の中に空いた小さな穴を埋めることが出来ような気がしていた。

「紅蓮、私貧乏でもいい。ただ、紅蓮のそばにいられるのなら」
・・・・」
「きっとこの心を埋めてくれるのは紅蓮しかいないから。私、こんなに紅蓮が好きなんだね」

そう言って笑うは本当に愛おしくて、離したくなくて
だから

、結婚してくれるか?」

そう言ったら笑顔になってくれると信じて。
ちょっとだけ驚いた顔も、すぐに笑顔に変わった。

「うん!」


少しだけ空いたこの心の隙間
埋めてくれるのは大切な人

たくさん傷ついた心
癒してくれるのは大切な人

ずっと二人だけで、ずっとそばに

"愛してる"