act.1

ジリリリリリリッ

目覚ましが軽快な音を立てる。
はベッドから手を伸ばし、そばの机にある目覚ましを止めた。

「ん・・・まぶしい」

隣で眠る恋人を放ってはベッドから出る。
大きめのシャツからは白く細長い足がのぞく。
シャツを脱ぎ、服を着替える。髪を一つにまとめ、ベッドをむくがまだ恋人は起きてくる気配がない。

「シリウス、朝だ」
「ん・・」

ゆすっても起きない。確かに昨日は相当遅くまで互いに起きていたから仕方ない。
は、シリウスを起こすのを諦めると階下に降りていった。

「あっ、、おはよー」
「・・・・」
?」
「あっ、あぁおはよう。

リビングではが朝食を作っていた。
リビングの入り口には彼女の相棒である、銀狼のが寝そべっている。
はテーブルの上に並べられた料理を見た。
が料理を作るとたいていが純和風になる。
それは別にいい。もシリウスもの恋人のルーピンも和食は嫌いではないから。
だが、四人で食べるにはいささか量が多い気がするのだ。

「やだ、、忘れた?今日はハリーとツキラが来る日よ?」

そうだった。
は額に手を当てた。
今日はの同級生、ハリー・ポッターとツキラ・セイテンが来る日ではないか。
ホグワーツも夏休みに入り、初めの一週間はダーズリー一家のところで過ごしていた二人に、とシリウスが招待状を送ったのだ。
ホグワーツの休暇中、このフェリス家の別荘に来ないか、と。
無論、ハーマイオニーやウィーズリー一家も誘ったが、彼らは彼らで休暇を過ごすというため、今回はハリーたちのみだ。

「リーマスは?」
「もう少しで来ると思うわ。シリウスは?」
「まだ寝てる。もう一度起こしてこよう」
「うん」

はうなずくと、また目玉焼きを作り始めた。
既に他界しているの両親が日本好きだったため、は洋食よりも和食を作るほうに長けていた。
野宿のほうが得意なシリウスやルーピン、料理自体が苦手なの食生活を預かるのはである。

、おはよう」
「あっ、おはよう、リーマス。あとちょっとでできるからまっててね」
「わかった」

ルーピンは席につくと、楽しそうに料理を作るを見ていた。

「すっかり、は若奥様だな。も料理を習うべきだ」
「五月蝿い」
「おはよう、シリウス、
「あぁ」

シリウス・ブラックがとともにやって来た。
は顔を真っ赤にして叔父であるシリウスを見る。

「シリウス・・・」
「今日もまた、立派だな・・・ハリーは?」
「まだみたいだけど・・・遅いな」

の言葉にがうなずこうとしたとたん、玄関のチャイムが押された。
が耳をそばだて、が玄関に走る。

「いらっしゃい。待ってたわ、ハリー、ツキラ」
「こんにちは、

扉の外にはの親友が立っていた。